大差がついていればいるほど怖くなるだからこそ勇気を出して挑む
――新しいシーズンに向けて、目標を聞かせてください。
一歩ずつですけど、前進していきたいんですよ、シーズンを戦っていくうえで。やっぱりほかの選手うんぬんっていうよりは、自分のなかの問題で順番っていうのがあるんじゃないのかなって思ってて。絶対にこの世界自分の思ったとおりにいかないことのほうが多いなかで、いまこうやって自分が去年入れ替え戦へいったのを今年はシードを獲れているってところで一歩進んでる。で、やっぱり順番ってあるもんだなって。日本でやってたときは順番なんて無視だったというか、結果的に高校1年生でプロの試合に勝っちゃったわけで。その時点でどれだけフライングなんだって話ですけど、でもアメリカは違うんだなっていうか。やっぱり世界一の舞台ですから、そんなに簡単にうまくいくわけがないと自分でも思っていて。だから今年シード獲れて一歩進めたんですけど、じゃ、優勝争いが何回あったかっていわれたらほとんどしてない。唯一いえるのは1試合ぐらい。それを来シーズンは3回、4回に増やせれば、同じシードでもそれだけ優勝に近づいている証拠だと思うし、それが進むってことなんじゃないかなって思います。
――優勝まであとどれくらい?
期間っていう意味ですか? 僕は、勝てると思います。ハマれば。そのハマるってことが大事なんですよね、アメリカンドリームじゃないですけど。勝つことがすべてではないと思うんですけど、自分のレベルをアップさせていくことがすごい大事。いつでも来い! みたいな。ハマったときに勝てるから、いつでも優勝のチャンス来い! っていう準備をしておくこと。メンタル的にもそうだし、ショットの練習、すべてのカテゴリーを充実させておくことで、いつでも優勝争いのチャンスが来ていいんだよ、っていう状態をつくっておく。
一番よくないのが、なんでうまくいってるのかわからずにスコアだけいい状態ですね。自分の感覚とギャップがあって、いいプレーをしてる感覚じゃないのに、順位が上のほうにあって優勝争いしてるっていう。1月のファーマーズインシュランスがそうでした。その状況で僕は勝つ準備ができていなかった。ものすごい大きいチャンス逃したなって、あれは勝てた試合だったなって。メンタルも技術も全然足りてなくて、「え? こんなゴルフで優勝争いできちゃうの?」っていうのがあったからダメだった。僕だったら勝てるんだっていう気持ちがなかったんですね。
――松山英樹のみならず、マキロイ、ファウラーら同年代の選手の活躍を見て、どう感じますか?
彼らの活躍は、やっぱりひとつのやり方を貫いてる結果だと思います。マキロイも去年の全英は予選落ちしてるんですよ。そのときもドライバーを積極的に使っていてそのミスでスコアを落としてたけど、いまは精度を上げてきている。ゴルフを変えて全英で勝ったわけじゃなくて、やっぱり自分が取り組んでいることの精度を高めていくっていうこと。プレースタイルを変えずに、自分が正しいと思うことに取り組んで、その精度を高めていくことをやってきた結果だと思うんです。
今年の序盤は僕自身、予選を通るためにゴルフが小さくまとまっていたところがあったんです。でも、シードを確定してひとつ前に進めた段階で、もう1回自分のゴルフを見つめたいなって思っていました。ちょうどそのときに英樹が勝ったことで、よりいっそう自分が判断、決断したことを本気でやろうという気にさせてくれましたね。
――日本にいるころよりガッツポーズが減りましたよね。それは意識的に?
意識はしていませんが、変わってきている部分はあると思います。むずかしい話になるんですけど、僕は4年ぐらい前までは副交感神経が優位で、いまでもそうなんですけど、でもその優位加減が4年前の半分ぐらいになっているんです。
――副交感神経が優位だと、簡単にいうとおとなしくなりますよね。
だから以前は自分で気合いを入れないと、なかなか気持ちが入ってこなかったんです。ガッツポーズを思いっきりガッってやって、ちょうどいいみたいな。モチベーション的に。いまはフラットなほうがプレーしやすいですけど、
積極的にガッツポーズしていこうって日もあります。
――優勝のガッツポーズが見たいです。
どうなんでしょう(笑)。展開によりますよね。ウィニングパットが近かったら、そんな大きいガッツポーズにはならないと思います。
――優勝の瞬間を想像するとどんな感じですか?
インタビューで通訳を呼ばないといけないなって思います。
――いらないんじゃないですか?
いやいや、必要ですよ。
――記者会見も通訳なしでやってるのに?
質問はわかるんですけど、自分がいいたいことがいえないっていうのがありますね。いいたいことがあるんだけど、英語にするのがむずかしいから英語でいえる範囲内になっちゃうみたいな。それだと意味が変わっちゃう可能性も
あるし、英語だったらこれぐらいしかいえないってなっちゃうし。
――優勝を期待しています。
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▲移動に使うトレーラー。"チーム"の荷物を積んで全米中を走る。キッチンを装備する計画もあったそうだが、車内が高温になるため断念したとか
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