解説=関雅史(QP) せき・まさし
1974年生まれ。40歳。QPの愛称で親しまれ、レッスンとクラブフィッティグの両面からの指導ができる人気プロコーチ。東京都北区のゴルフフィールズ店長。
ユーティリティはただ飛ばすだけでなく距離感を出せる
近ごろは、
前記事でレポートした女子プロだけでなく、男子プロのなかにもフェアウェイウッドをユーティリティに替える選手が増えています。
その一番の理由は、重心深度の違い。重心の深いクラブは「慣性モーメントが大きくなるので芯が広くなる」「ボールが上がりやすく高弾道が打てる」「ボールのつかまりがよくなる」などのメリットも多い。ですが、地面の上にあるボールを単に遠くへ飛ばすだけでなく、距離をきちんと打ち分けるようとすると、デメリットも多く出てきてしまうのです。
そこで、重心が深いフェアウェイウッドのデメリットと、重心の浅いユーティリティのメリットをご説明します。
重心が深いフェアウェイウッドは…
ヘッドの入り方で飛距離を大きくロスしやすい
重心が深いヘッドは、ヘッドの入り方でバックスピン量がより増減しやすい。ヘッドが上から入るとスピン過多でフケ上がり、下から入るとスピン不足でドロップしたボールになってしまう。どちらも、飛距離を大きくロスする原因になる。

▲ヘッドを正しく入れないとバックスピン量が大きく変わってしまうので、飛び方が安定しない
重心角が大きいので左へ引っかけやすい
フェアウェイウッドはドライバーより重心距離が短いので、機能的にはドライバーよりもボールがつかまりやすいクラブ。重心が深くなると重心角も大きくなるので、さらにつかまりがよくなって左へのミスが頻繁に起こりやすくなる。ヒッカケやチーピンが出る人は要注意だ。

▲うまく打てたときほど左に飛んでしまうのは、フェアウェイウッドの重心角の大きさが原因。重心角が大きいとヘッドが返りやすいので、左へのミスが出やすい
ヘッドのお尻が下がるのでクラブが下から入りやすい
重心が深いということは、ヘッドのお尻に重みかある状態。お尻が下がるとインパクト時にフェースが上を向き高弾道になるという長所もあるが、同時にヘッドが早く落ちて下から入りやすくもなる。地面の上にあるボールを打つには、致命傷ともいえる大ダフリが出やすくなる。

▲ヘッドのお尻が下がってボールの下から入る打ち方は、ダフリやトップ、フック、チーピンが出てしまう。とくに地面の上にあるボールを打つときは、大きなミスになりやすい
重心が浅いユーティリティは…
適正なスピンと高さで強い球が打てる
適正な距離を出すためには、バックスピン量が重要。重心の浅いユーティリティは…
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
ツアープロ直伝レッスンが見放題!ゴルフレッスン、最新ギア、トッププロのスイング連続写真を毎日更新!
この記事が気に入ったら
SNSでシェアしましょう!