1月にサンディエゴで行われたPGAツアー「ファーマーズインシュランスオープン」では、3組の日本人グループと歩きながら話をした。
まず、1組目。若い男女のグループであった。旅行者には見えなかった。アメリカに根を下ろしているような振る舞いだったので、「こちらの方ですか?」と尋ねると、地元サンディエゴに住んでいるという。
この試合は毎年観に来るそうだ。昨年も一日中、遼についてまわったという。今年は遼の成績がいいから見ていて楽しい、といってくれた。
日本語が上手だったので、日本からの留学生かもしれない。海外に出ていく若者が減っているというが、彼らは貴重な人材なのだろう。また、彼らにしてみれば、日本の若いゴルファー(この場合は松山英樹と遼)が海外に来ているのだから、自分たちに置き換えて応援したくなるのかもしれない。
2組目は、熟年夫婦。このふたりは旅行中だといっていた。定年退職したのかもしれない。
夫のほうがいうには、「試合の初日を見に来たのだけれど、遼くんの調子がいいので4日間足を運んでしまいました」。隣りにいる夫人は「しかたない」という顔をしていた。「旅の予定が狂いましたね」とわたしがいうと、「時間は十分にありますから」と夫人が笑った。パックツアーに参加したら、こうはいかない。多少のオプションはあるが、4日間自由になるほどのオプションはないだろう。英語が話せてクルマの運転ができれば、アメリカは楽しいのだろう。
3組目は、だれもがご存知の大物俳優。プライベートで来ていたので名は伏す。その人は、西海岸のトーナメントをよく見に来るそうだ。とくに1月、2月は寒い日本を離れてカリフォルニアに来るのだろう。
その人と会ったのは、トーナメント初日のスタートホールだった。前の週、遼は25位タイだったので、「今年はいいね」といってくれた。わたしが「昨年よりいいと思います。しかし、出られる試合がかぎられていますから」というと、「西(海岸)なら、もう1回顔を出すよ」とその人はいって、わたしとは別れた。別の組を見るのだろうか。帰ったのかもしれない。
こうして海外にまで来て応援する人は少ない。当たり前である。しかし、近くでやっているから見に行く、という日本人はいるものだ。
いまの時代、海外に行かなくてもテレビがある。生中継が茶の間で見られる。本場の試合を目の前で見ることができるわけだ。
アメリカの試合が生で見られて、なぜ日本国内の試合が録画なのか。不思議だ。
日本のプロゴルフが生きる道は、ここにしか存在しない。松山や遼のような選手が4~5人出てきて、半分は国内の試合に出場する。本場の選手を現場で見られることになる。
そして、テレビ中継は生放送。アメリカ基準に合わせた運営をしなくてはならない。
カリフォルニアにて
石川勝美
●いしかわ・かつみ──プロゴルファー石川遼の父。ゴルフ界発展のためのさまざまな提言を発信する。ゴルフをはじめ読書、写真、釣り、旅、競馬、家庭菜園など趣味は多彩。著書に『石川家の子育て』など。1956年生まれ。
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