連載コラム

石川勝美-ゴルフ道なき奥の細道

最年少優勝

2014/6/23 21:00

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最年少優勝

ゆとり教育の産物

 アマチュアは、到底プロには太刀打ちできない。

 アマとプロには、それほど実力の差があるものだ。スポーツのなかでその差がもっとも大きいのが相撲であり、ゴルフである。少し前までは、そういわれてきた。現に、相撲の遠藤は横綱白鵬に対して稽古で15連敗だったという記事を読んだ。

 ゴルフはどうであろうか。先日、女子トーナメントで高校1年生の勝みなみさんが見事に優勝した。あの宮里藍の高校3年生で優勝という記録を大幅に塗り替えた。アマチュアではないが、藤田光里や比嘉真美子といった選手も、プロ入り後すぐに活躍している。アマチュアに毛が生えた程度の時期にである。

 男子ゴルフにおいては、松山英樹がプロ入りした年に賞金王になった(彼は特別だ、というかもしれないが)。プロ野球では、高卒ルーキーの活躍は枚挙にいとまがない。「プロはどこへ行った?」といわれるのも無理からぬ話だ。

 アマチュアがプロレベルに強くなった原因のひとつは「ゆとり教育」にあるのは明白である。遼も小学校のときから年間100ラウンドをこなしていた。毎週土日が休みなのだから、1年50週として掛ける2日、100日ゴルフ場に通ったことになる。このほかに夏休みの半分、春休みの半分をゴルフ場に行けば、130ラウンドしたことになるだろう。そんなにお金が払えないでしょ、というかもしれないが、遼の場合、無料のラウンド(薄暮プレー)に行くことが多かった。そういうジュニア支援の環境も要因としては大きなものだが、週休2日という学校のスケジュールは、サラリーマンだったわたしとぴったり一致していたのである。

 子どもの才能を伸ばすために学校が必要だという考え方もあるが、一芸に秀でるためには学校教育では追いつかないだろう。とくにスポーツや芸術においてはそうだ。誌面の都合上詳しくは書けないが、思い切って金、土、日の3日を休みにするべきだとわたしは思う。もちろん、学校はやっていて、行きたい子どもは行けるようにしておくことが必要だが。いまの教育制度は、教師のために存在するのであって、子どものためになってはいない。

コース改修

 昨年、「石川遼 everyone PROJECT」というチャレンジトーナメントを初めて開催した栃木県のロイヤルメドウゴルフスタジアムというコースに、遼が帰国した合間をぬって一緒に行ってきた。

 全長7100ヤードとトーナメントコースとしては長くはないが、グリーンとグリーンまわりに手を加えてレギュラーツアーで通用するコースに仕上げたいというのが遼の想いである。アマチュアにはやさしく、プロや上級者にはむずかしく、というコンセプトだ。深いバンカーに近いところや池ギリギリのところにカップを切る。グリーンの面を3つ、4つに分割する。

 遼や松山がいま米国で苦労しているのは、グリーンとグリーンまわりだ。いままで単調なコースでしかゴルフをして来なかったから、慣れていないし技術も足りない。それだけでなく、日本はトーナメントコースでさえ池が利いたコースはあまりない。傾斜の強いグリーンも少ない。一般営業に差し障るからだろう。

 何年かかるかわからないが、コースの協力を受けながら、日本一のコースに仕上げるつもりだろう。

▲ロイヤルメドウゴルフスタジアムにてコース改修の打ち合わせ



石川勝美
●いしかわ・かつみ─プロゴルファー石川遼の父。ゴルフ界発展のためのさまざまな提言を発信する。ゴルフをはじめ読書、写真、釣り、旅、競馬、家庭菜園など趣味は多彩。著書に『石川家の子育て』など。1956年生まれ。

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