松山英樹初優勝
男子プロの魅了
6月2日(月)に書いている。本来、締め切りは月末(今回は5月末)であるが、松山英樹が勝ちそうな気がして、2日延ばしてもらった。
そのとおりに彼は勝ったわけだが、たぶん日本中で大騒ぎになるだろう。米PGAにとってもタイガー・ウッズの復帰に目処が立たないいま、日本の若手という新しいヒーローは歓迎されるはずだ(この号が出るころには更に勝利を重ねているかもしれない)。いま現在、世界のトップ5の実力といえる。
そういう選手に対してJGTOは、日本の出場義務5試合を課すことになるのだ。「義務」とはおこがましいだろう。伏して出場を請うべき状況なはずだ。
ひとつのルールをつくるときに想定すべき事象の検証があまく、場当たり的に決めるとこういうことになる。いつかこうなる。そのときにはいおうと考えて、締め切りを2日延ばしてもらった。
松山のポテンシャルは高いもので、青木功、丸山茂樹の努力の勝利とは違う勝利に見える。当然の優勝といっていいだろう。仮に遼が勝てるとすれば、努力以外その方法はない。いずれにしろ、準メジャー大会での優勝は、日本のファンにとって本当にうれしいニュースだ。
これが男子プロの魅了だ。これ以外に魅力はない。世界の高い壁に挑む姿をファンは期待している。朝令暮改といわれようとJGTOは5試合の義務を撤廃して、試合に出やすく戻りやすい環境を整備していかなければならない。
女子プロの興行
一方、LPGAの興行はパーフェクトといえる。
遼の妹の葉子が主催者推薦で出場したリゾートトラストレディスに行ってきた。たまたまレストランで樋口久子名誉会長に会った。お茶を飲まれていたのだと思うが、わたしと目が合うと、立って笑顔であいさつしてくれたのだ。
この氏の態度が、女子プロゴルファー全員に行き渡っている。その日のゴルフが思うようにいかずスコアが悪くなっても、ギャラリーの「ナイスパー」の声に笑顔でこたえられる女子選手。40組近くがまわるわけだが、ギャラリーのつかない組はない。振り返って男子プロの試合では、ギャラリーがゼロの組がある。
また、男子にはなんだかわからない会長推薦なる制度もあるようだ。中立であるべきJGTOの会長が、特定の選手を推薦出場させるとはいかがなものか。詳しい内容はわからないが、それなりの制度であれば行使する際に十分説明するべきだし、そうでないならあまり使わないほうがいいと思う。
リゾートトラストの社員と話す機会があった。好天に恵まれたことを本当に喜んでいた。女子プロトーナメントの開催は順番待ちが出るほどの人気で、一方の男子は試合減少に歯止めがかからない。
男子の目指す方向は、世界で戦える選手を出すこと。なにも全員がそうなるということではなく、5~6人でいいのだ。その選手が日本に戻って試合をするような環境をつくっていくことである。いまのファンは国内でだれが勝ったかということに、あまり関心がない。
思いきって賞金シードを女子と同じ50名にすることも検討されたい。新しい選手が出やすくなる。シードを落とす選手がいまより20名多くなるが、QTやチャレンジからの出場が20名増えることにもなる。シード権にふれると総論賛成各論反対となり、いつもお茶を濁す結論しか出ない。樋口久子のような絶対的権限を有する者がいないのだ。権力者は絶対的良識を備えていなければならない。
石川勝美
●いしかわ・かつみ─プロゴルファー石川遼の父。ゴルフ界発展のためのさまざまな提言を発信する。ゴルフをはじめ読書、写真、釣り、旅、競馬、家庭菜園など趣味は多彩。著書に『石川家の子育て』など。1956年生まれ。
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