パットがよくなって大きな記録を成し遂げた、といえば2015年の賞金女王イ・ボミ。どんなことを心がけ、どんな練習を積み、なにがよくなったのか?平均パット数16位からのランクアップの秘密に迫る!
構成=岸和也/写真=小林司、前田俊二=協力=東京ゴルフスタジオ
コメント=清水重憲 しみず・しげのり
1974年生まれ。プロキャディ。14年からイ・ボミの専属キャディとなり計10勝をマーク。19シーズンで、計31勝をあげている優勝請負人。

▲入れごろ外しごろのプレッシャーのかかるパットで慎重になりすぎ、リズムが変わって"固まる"傾向があったイ・ボミ
リズムとロングパットを整えて大躍進!
構えてから2秒以内でストロークに入るようにした
ボミ選手はパット巧者ですが、一昨年(14年)はショートパットに苦労した場面がありました。それが昨年(15年)にも持ち越されたので原因を探ってみたところ、2メートル以内のパットで“固まってしまう"傾向があったのです。入れごろ外しごろの距離は、プレッシャーがかかります。ボミ選手も何度も目標を見直して、打つまでにかなり時間がかかっていた。明らかにほかのパットとリズムが違っていたのです。
具体的にどれくらい違っているのかはっきりさせたかったので、試合中スタッフにカウントしてもらいました。するとプレッシャーのかかるパットでは、アドレスしてから打つまでに4〜5秒かかっていました。ショットも含めたほかのストロークでは1〜2秒でしたから、かなりの違いです。
実際、ボクから見ても長く感じたので「時間をかけすぎて、固まってイメージが消えてしまうんちゃう?」と相談してみたところ、計測時間という裏づけもあったおかげで本人も納得してくれました。こうして話し合った末、構えてから2秒以内でストロークに入るようにする、と決めたのです。
もちろん練習でもそれを実践しました。パターをソールして、足を肩幅に広げたところから時間を計測。2秒以内のタイミングが、自然な感覚になるように繰り返しました。その結果、グリーン上はもちろん、ショットもほぼ同じリズムでストロークできるようになり、ショートパットが安心して見ていられるようになったのです。
3パットが増えているのに平均パット数は1位
長いロングパットを1メートルオーバーさせる練習をした
ロングパットも修正しました。これはもともと上手で、一昨年は3パットが1試合1回あるかないか。ツアートップの少なさでした。でも、ロングパットでもかなり長い距離はそうでもなく、"どショート"することがあったのです。ショートするとカップインの可能性はゼロになる。もちろん積極的に狙うパットではないのですが、それでも…
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