最強への道其の12
"アプローチ王”への必須トレーニング
地面の落ち葉は片手で全部打ちまくれ
そのすべてがスコアアップにつながり、なんぴとにも負けない最強ゴルファーになれる!人気絶頂のスーパーアスリート武井壮が指導する、常識を覆す真剣ゴルフレッスンをとくとご覧ください!
[編集部]今月から衣装が普通になりましたが。
武井 やはりゴルフ場では、ゴルフウエアが正装でしょう。
――すると、いままでのランニング姿はなんだったんでしょうか?
武井 あれもボクにとってはきちんとした正装。いや戦闘服です! ただ、なにごとも進化というものが必要じゃないですか。
――いや、いいんですよ。単に前の衣装だとゴルフ場での撮影許可がおりにくいから、変えてもらったという理由で。
武井 そんな権力に負けたみたいな理由ではありません。マンネリを打破する積極策です!
――そうですか……。でも武井さんはスタイルがいいから、とてもお似合いですよ。
武井 まあ、ファッション誌やファッションショーからの出演依頼があるくらいなんで(照)。
――そこで、きれいなモデルさんを両肩に担いで歩くのも武井さんくらいですけどね。さて、話を戻しまして今月はアプローチについてお聞きしたいのですが。
武井 アプローチといったら、スコアメイクの生命線です!
――聞くところによると武井さんがゴルフ留学中に70台を連発していたころは、どころからでも寄せワンを拾いまくっていたとか。
武井 はい。狙った落としどころにきっちりキャリーさせていましたね。それが1ヤードでもズレると、気持ち悪くてしょうがなかった。
――そんな距離感を、どうすればボクらでも身につけられますか?
武井 アプローチは繊細で感覚的な部分が大きいんで、まずはウエッジを手と同じ、いや手より敏感になるくらいにしてほしいですね。
――そこまで敏感にすることができるんですか?
武井 もちろんです! ボクはノンプロになったほどの野球経験者ですが、一番すごい時期はゴルフボールを手で投げるよりもウエッジで打ったほうが、距離も方向もビシッと正確だったほどです。
――それでその鍛練法も、いつもどおりだれでも簡単にできるトレーニングがあるんですよね?
武井 ええ。ゴルフ場には枯れ葉が落ちていますよね。いまの時期でも。それを歩きながら片手でクラブを振って打ってください。
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▲コースに落ちている葉っぱを見逃しているヤツは、アプローチがうまくなるチャンスまで逃している。片手で持ったウエッジを振って、100枚落ちていたら100回。1000枚なら1000回打ってやれ!
――あっ、それやったことあります。結構真剣に落ち葉に当てようとするんですけど、空振りしちゃいます。
武井 何回くらいやりました?
――そうですね。2、3回かな。
武井 そんな薄っぺらい経験じゃなんの役にも立ちません! もし歩いて行く先に100枚の落ち葉があるなら100回。それを毎ホール繰り返して1000回くらいやれば、積み重なった経験になり、手より敏感に近づけられるでしょう!
――わかりました……。でも落ち葉がそんなに落ちていないときもありますよね。
武井 枝の先の葉っぱでもいいですよ。とにかく葉先だけを、軽く触れるだけでいいんです。これで繊細なボールコンタクトができるようなります。
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▲木々の枝の先っちょの葉っぱも狙い打て。片手でむずかしいうちは両手でもオッケー
――いつもながらに簡単ですね。ただもう少し練習場でできるとか、そういうのをリクエストしてもいいですかね。
武井 フワッとしたものじゃダメですね。
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▲狙う距離がフワッとしていたら、ボールがフワッとうまく打ててもミスするぜ
――そうそう。ボールを高く上げようとする人、多いですよね。
武井 そうじゃなくて、狙う距離がフワッとしていたらダメなんです!
――球筋じゃなくて距離感がフワッ?
武井 だいたいあの辺じゃなくて、絶対にあそこにキャリーさせるという強い意志と、それを裏づける練習量が必要です。球筋はなんでもオッケー。むずかしいといわれるロブショットでも同じ距離を1万回打っていれば、10回しかやったことがないコロがしよりも断然ミスしない。
――武井さん自身も、そういった地味な反復練習をやったんですね。
武井 1本のクラブで同じ距離を、死ぬほど繰り返しましたね。このクラブでこうやって打てば必ず何ヤード飛ぶって自信がつくまで。
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▲ひたすら同じ距離を同じ寄せ方で打つべし!積み重ねたぶ厚い経験に勝るものなし!
――ひとつ明確な距離をつくるということですか?
武井 そうすると、ほかの距離はアレンジでいいんですよ。グリップを強く握るとかボール位置を変えるとか、クラブを換えてもいい。それもきちんと換えたときの経験を厚くすれば、正確に打てる距離の幅がどんどん広がっていく。
――多彩なワザは必要ないんですね。
武井 たくさんの寄せテクをもっていても、それが薄い経験ではミスの確率が上がるだけ。ボクが猛獣との戦いのシミュレーションを2万戦以上しているのは、2万種類の動物と戦っているんじゃないですよ。手強い相手ほど何度も戦って、よりぶ厚い経験をつくっている。ぶ厚い経験こそが、ゆるぎない最強の武器です。
――ちなみにどのくらいの数を打ったらぶ厚い経験といえますか?
武井 最低1万発ですね。アプローチは打ったことない距離をつくらないことが大切なんで、少なくても50ヤードから1ヤードまでを1ヤード刻みの距離で、ぶ厚い経験をつくっておく必要がありますね。
――ということは、50通りの距離を1万発ですから50万発ですか!
武井 そこまでやらずに、アプローチ王を名乗れますか?
――名乗るつもりもありませんでしたが、10ヤード刻みで5パータンくらいはぶ厚い経験をつくるように努力します。
武井 そこまでやれたら、あと45通りもやりたくなりますよ。なんといっても「王」を名乗れるんですから。
――「王」は武井さんひとりで十分です……。
●武井壮(たけい・そう)――1973年生まれ、40歳。陸上十種競技の元日本チャンピオン。大学卒業後にゴルフ留学で取得したUSGAハンデは1.3。昨年、すべての生物の頂点を極めた“百獣の王”として大ブレイクすると、各メディア、CMにひっぱりダコの人気アスリート、タレントとして活躍中。40歳を迎えた今年は、10月にブラジルで行われる「世界マスターズ陸上」に出場予定。
・オフィシャルサイト gogotakei.com/
・オフィシャルブログ ameblo.jp/zenkaiman/
・ツイッターアカウント @sosotakei
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