そのすべてがスコアアップにつながり、なんびとにも負けない最強ゴルファーになれる!人気絶頂のスーパーアスリート武井壮が、常識を覆すゴルフ上達法を真剣に伝授します!
[編集部]スライスに悩んでいる人って、ホント多いですよね。
武井 スライスが直ると飛距離も伸びるんで、ゴルフがもっと楽しくなりますよ。
――そこで今月は、スライス防止法を教えてほしいのですが。
武井 以前もバンカーレーキでの素振りやハンマーをブン投げる、重いものと軽いものを交互に振るなど(13年1月号掲載)を伝授しましたが、そのほかにですか?
――もちろんそれらも効果は絶大ですが、今回は道具を使わずできるイメージ的なことでなにかありますか?
武井 星の数ほどありますよ。ただ、その前に「なぜスライスしてしまうのか?」そのメカニズムから学習していきましょう。スライスの原因はなんだと思います?
――まぁ、レッスンでよくいわれるのは、カット軌道やオープンフェース、振り遅れですよね?
武井 そういうのはヒーローものの悪の組織でいえば、戦闘員のようなザコキャラですね。そいつらを操っているボスキャラを退治しないと、いつまで経っても克服できません。
――武井さんのいうボスキャラとは?
武井 最大のボスは「リキみ」です。
――なるほど。たしかにスライサーは「力が入りすぎ」とか「リラックスしろ」とよくいわれますよね。
武井 力が入るのは悪いことではないし、逆にリラックスも脱力すればいいというわけではありません。実際には、アドレスですでにリキんでいるケースもありますが、スライサーの多くは、切り返しでのリキみが問題です。
――どういうことですか?
武井 スピードを出したい、振り遅れたくないと思って、切り返しから急加速させようとするからスイングには不要な力が入るんです。
――でも、石川遼くんや松山英樹くんなんか、切り返しでのスピードがハンパないじゃないですか。
武井 あー、それも間違いです。たしかにすごい勢いで切り返しているように見えますが、プロのスイングは、カラダがゆっくりなのにヘッドだけがすんげー速いんです。
――いわれてみるとたしかに……。プロのスイングは速いけど軽く振っているように見えますね。
武井 決して軽く振っているわけではないんですよ。あれはまさに、短距離走のスタートダッシュと同じ。スライサーは「ヨーイ、ドン!」で間違えた力の使い方をしてしまうのが問題です。
――短距離走のスタートダッシュ?
武井 短距離走のスタートは、ゴルフでいえばトップからの切り返しになりますが、短距離でロケットスタートを決めるにはどうすればいいと思いますか?
――とにかく地面を強く蹴って、前へ前へと進み一気に加速する、ですかね?
武井 そういうスタートだと、地面をベタベタと蹴る音がしますよね。
――ええ。地面を力強く蹴ろうとしますから。
武井 そのときの音っていうのは足と地面の衝突音なので、大きな音が出るほどパワーがぶつかってエネルギーロスになっているということなんです。スピードも上がらない無意味な力のかけ方ですよ。
――じゃあ、どんな力のかけ方をすればいいんですか?
武井 物体を動かすために力を確実に伝えたいなら、重いものを軽くするんです。短距離走でいえばスタート直後は前に倒れ込んで足にかかる体重を軽くして、なるべく音が出ないように小さい力で進む。脚の筋力よりもカラダの重さを使います。すると、スーパー猛烈ダッシュを決められます。
▲軽い力で静かに走り出すのが、短距離走でロケットスタートを決める秘けつ。これは、ゴルフの切り返しでも同じ。とくにスライサーは、切り返しでのリキみが大きな原因なので、「軽い力でゆっくり下ろす」ことを肝に銘じろ!
――もっと、ゴルファーでもわかりやすいたとえでお願いします。
武井 そうですね。カートを動かそうと思ったら、勢いよくぶつかる人はいませんよね。そんな瞬発的な力ではビクともしない。
――そうですね。手を軽く沿えてゆっくりと力をかけて押しますよね。
武井 それは、スイングの切り返しでも同じです。速く大きな力を出そうとすると、クラブの重さとケンカしてリキんでしまう。筋肉に力を入れるより、クラブを動かすイメージで「軽い力で振り下ろしていく」ようにすれば、振り遅れもフェースの開きもなくなりますし、ヘッドスピードも飛躍的に上がります!
――なるほど。ではここでひとつ、デモストレーションしてもらえませんか? ヘッドスピードも久々に測ってみましょう。
武井 お安いご用です。軽い力で……(ブン!)
――驚異的な速さですね。あれ!? これ前回、測ったときより上がっていません?
武井 百獣の王は、日々進化していますから。
――恐ろしい41歳ですね。
武井 武井理論なら、ヘッドスピードを上げるなんて超カンタン。シニアゴルファーだって、すぐに上がりますよ!
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