連載コラム

海の向こうのタフガールズ
モーガン・プレッセル

  • LINE
ニュースだけじゃ伝わらない米女子ツアー選手たちの魅力を毎月、現地からレポートします!
文・写真=南しずか/TEXT&PHOT Shizuka MINAMI


モーガン・プレッセル Morgan Pressel
1988年5月23日生まれ。165cm。8歳からゴルフをはじめる。アマ時代11のタイトルを獲得し、05年は「全米女子オープン」で2位。プロ転向した06年は23試合中、予選落ちわずか2回でシード獲得。翌07年「クラフトナビスコチャンピオンシップ」で18歳10カ月というメジャー最年少優勝記録を樹立(15年に18歳4カ月のリディア・コーに抜かれる)。アメリカ出身。


チャリティ活動に精力的なやさしきタフガール



 14年、モーガン・プレッセルは、継続的に慈善事業をして社会に貢献した選手に贈られる「キア・アワード コミュニティ・アシスト賞」を受賞した。モーガンは、乳ガン撲滅のためのチャリティ活動の協会を設立し、マンモグラフィ検査の推進や病院の建設・運営をするなど、精力的に活動している。

 彼女の主催するチャリティーゴルフでは、ポーラ・クリーマーやクリスティー・カーらなかよしの女子プロが毎回参加し、いままでに、なんと400万ドル(約4億7千万円)の収益金をあげている。

 受賞の際「活動が評価されて、すごく嬉しいです!」と、最初は笑顔を見せていたが、途中から声をふるわせ、手で涙を拭いながらのスピーチをした。

「ゴルフ人生の中で一番大事な賞をいただいたといっても過言ではありません」とモーガン。15歳の時に乳ガンで亡くなった母のことを想っていたのかもしれない。

 本業のゴルフでも、15年はトップ5入り4回、賞金ランク11位と例年以上に安定した強さを見せた。ここ2年ほど悩まされてきた手首のケガからの回復に加え、「ボールの変更」「以前のコーチとタッグを組んだこと」などいろいろな要因がかみあって結果につながった。

 とくにボールを変えたことは大きかった。

「30個、40個、いや、それ以上かな」

 試したボールは数えきれないが、キャロウェイの「クロムソフト」に変えると飛距離が伸び、自信をもってプレーできるようになったという。

 また、13年に結婚した夫の存在も大きい。ケガに悩まされ、思うような練習がこなせず、試合でも結果が出ないときは「君はもっとすごい選手なのに!」と自分以上に悔しがってくれた。

「バカみたいに聞こえるかもしれないですが、いまは普通にプレーしているだけで幸せなんです」

 公私ともに充実し、ゴルフの状態もいい。08年の「カパルアクラシック」以来、3度目の優勝なるか。宮里藍と同期の27歳に期待したい。

▲14年最終戦「キア・アワード」表彰時の合間に。左からステイシー・ルイス、モーガン・プレッセル、ポーラ・クリーマー、ブリトニー・リンシコム




南しずか みなみ・しずか
1979年生まれ、東京都出身。ニューヨーク在住。2009年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や「ナンバー」「Sports Illustrated」など、スポーツ誌に写真を提供。

テーマ別レッスン

あなたのゴルフのお悩みを一発解決!

注目キーワード
もっとみる
閉じる