ニュースだけじゃ伝わらない米女子ツアー選手たちの魅力を毎月、現地からレポートします!
文・写真=南しずか/TEXT&PHOT Shizuka MINAMI
朴 仁妃(パク・インビ) In-Bee Park
1988年7月12日生まれ。167cm。10歳からゴルフをはじめ、アマ時代から多くのタイトルを獲得。06年にプロ転向し、08年「全米女子オープン」で大会史上最年少優勝をはたす。2012年、米ツアー賞金女王になると、翌年メジャー3連勝して2年連続賞金女王に。米ツアー通算17勝(うちメジャー7勝)、日本ツアー4勝。韓国出身。
心が強い!最年少で殿堂入りの資格を得た27歳
現在、韓国勢が女子ゴルフ界を席巻しているが、そのトップに君臨するのが朴仁妃である。"賞金女王"、"年間最優秀選手賞"、"ベアトロフィー(平均ストローク1位)" など、ビッグなタイトルを手に入れ続けており、昨シーズンの最終戦終了時、ついに史上最年少記録で殿堂入りの資格を手に入れた。
「最年少記録はすべてリディア・コーのものと思っていたので、まだ若いっていわれて嬉しいですね」。
試合中のポーカーフェイスとはうって変わり、試合後の記者会見では冗談を交えつつ和やかな表情を見せた。
12年から3年連続で"パーオンした時のパット数1位"を獲得したように、朴の武器はパッティングだ。加えて、メンタルが強靭だ。通常の大会よりメジャー大会の方が「集中力が増す」と公言する。
「いつもよりパットのラインを注意深く読めたり、集中してスイングできたり、ちょっとした違いなんですけど、確実に違うんです」
こんな話もある。昨年11月、メキシコで開催された大会で、朴は3日目を終えて2位に3打差の単独首位に。最終日を翌日に控え「全英以来の優勝争い。最終組で優勝争いできる緊張感が楽しくてたまらない」と、コーチで夫のナム・ギヒョプ氏に話したという。ナム氏からは「(緊張感が楽しいとは)変わってるね〜」と言葉を返されたそうだ。
そんな朴だが、最初から飛び抜けて強かったわけではない。プロ宣言した06年は下部ツアーに参戦し、翌年レギュラツアーへ這い上がってきた。その後ナム氏と出会ってスイングを改造。12年のエビアンマスターズを制したことを皮切りに、安定して優勝争いに絡むようになったのである。
今年は「リオ五輪」「インターナショナルクラウン」とメジャー以外にも朴が大好きな大舞台が待ち受ける。背中痛などで万全の状態といいがたいが、まずは今年最初のメジャー大会「ANAインスピレーション」で、どんなプレーを見せてくれるかに注目したい。

▲昨シーズン、最終戦の週に開催された「ロレックスアワード」で「ロレックス・アニカ・メジャーアワード」の表彰を受け、スピーチする朴
南しずか みなみ・しずか
1979年生まれ、東京都出身。ニューヨーク在住。2009年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や「ナンバー」「Sports Illustrated」など、スポーツ誌に写真を提供。
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