連載コラム

海の向こうのタフガールズ
若くて強い東南アジアの2選手

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ニュースだけじゃ伝わらない米女子ツアー選手たちの魅力を毎月、現地からレポートします!
文・写真=南しずか/TEXT&PHOT Shizuka MINAMI



[右]アリヤ・ジュタヌガーン Ariya Jutanugarn
1995年11月23日生まれ。170cm。5歳からゴルフを始める。年齢制限があり出場できなかった米女子ツアーの代わりに出ていた欧州ツアーで1勝。15年から米ツアーに参戦。先日、米ツアー初優勝をはたす。世界ランク21位(5月10日現在)。タイ出身。



ケリー・タン Kelly Tane
1993年10月26日生まれ。165cm。父親の影響で12歳からゴルフを始める。アマ時代、マレーシア女子オープンで3度優勝。本格的にプロを目指すため、16歳で高校を中退し渡米。13年のQスクールでシード権を獲得しプロ宣言。14年から米ツアーに参戦。世界ランク184位(5月10日現在)。マレーシア出身。


若くて強い東南アジアの2選手



 リオ五輪まで3カ月余り。女子ゴルフの出場権がある国は現時点で約30カ国。開催までの数回にわたり、注目選手やそのお国事情について紹介したい。今月は、東南アジア。

 東南アジアでは、タイとマレーシアという2カ国のみ、各2選手の出場がほぼ決定している(最終決定は7月11日)。

 タイの一番手は、先日の「ヨコハマタイヤLPGAクラシック」タイ人として米ツアー初勝利を挙げたアリヤ・ジュタヌガーン。その勝利で、日本人選手の一番手、野村敏京より順位を上げ、世界ランク21位に躍り出た。若干20歳だ。

 昨年12月のQスクール(いわゆるプロテスト)では、タイ人4選手がシード権を獲得し、強豪国になりつつあることを証明した。

「タイにはコンディションがいいゴルフ場が多いですから」と、タイ女子ゴルファーの急成長の秘密をジュタヌガーンが教えてくれた。たしかに、タイは東南アジアでもっともゴルフ場が多く(253コース)、高級リゾートから難易度の高いトーナメントコースまでバリエーション豊か。ジュニア育成にとっても最高の環境である。

「ジュニアがどんどん増えていますよ」というのは、マレーシア代表候補一番手のケリー・タン。米女子ツアーの唯一のマレーシア人だ。母国から持ってきている物は?と聞くと、「マイロを時々飲みます」。マイロ?

 検索したら、日本でおなじみの飲料「ミロ」のことだった。マレーシア発祥のものではないが、東南アジアで人気らしい。

 若き彼女らの活躍は母国ジュニアの指針となる。オリンピック出場を機に、近い将来、東南アジアの女子ゴルファーは確実に増えるだろう。


南しずか みなみ・しずか
1979年生まれ、東京都出身。ニューヨーク在住。2009年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や「ナンバー」「Sports Illustrated」など、スポーツ誌に写真を提供。

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