ニュースだけじゃ伝わらない米女子ツアー選手たちの魅力を毎月、現地からレポートします!
文・写真=南しずか/TEXT&PHOT Shizuka MINAMI
マリア・ウリベ Mariajo Uribe
1990年2月27日生まれ。168cm。父親の影響で9歳からゴルフを始める。07年、全米女子アマを制覇。2010年に米女子ツアーデビュー。11年に、非公式な大会だが、「HSBCブラジルカップ」で優勝。世界ランク92位(6月10日現在)。コロンビア出身。
コロンビア史上3人目の金メダル獲得を狙う
リオ五輪ゴルフ競技まで2カ月を切った。出場する各国のタフガールを紹介していく第2弾は「コロンビア」。南米は開催国のブラジルに加え、コロンビアとパラグアイから各1選手の出場がほぼ決定的だ。
「南米のなかで、コロンビアはゴルフのレベルが高いほうです」
現在、五輪ランクの南米最上位でコロンビア出身のマリア・ウリベが教えてくれた。
「レベルが高いといっても、まだまだこれからですけど」
コロンビアには、約100のゴルフ場があり、そのうちパブリックコースはたった1つ!国民にとって、まだゴルフが一般的なスポーツとして浸透していない証拠である。
ウリベが生まれ育ったブカラマンガは、コロンビア第5の都市であり、人口50万人、コロンビアコーヒーの産地であるサンタルデール地方に位置する。ブカラマンガには2つのゴルフ場があるが、両方ともプライベートコースだ。ウリベの父親がそのうちの1つの会員だったことで、9歳のときにゴルフを習いはじめた。
プロを目指す南米のジュニアは、ゴルフ大国アメリカの大会に出場するのが普通だが、ウリベも例外ではなく出場し続け、07年の「全米女子アマ」で優勝した。その後、UCLAに入学し、ゴルフ部で活躍。だが、プロを目指し2年で中退して、10年から米女子ツアーに参戦中だ。
ウリベはリオ五輪が楽しみで仕方ないという。コロンビアの歴史上で金メダルを獲得したのは、たったの2選手(2000年シドニーの重量挙げと2012年ロンドンの自転車)で、「(自分が)3人目になれたら名誉なことですよね」と目を輝かせる。そして「自分が五輪で活躍できれば、政府がパブリックコースを建設してくれるかも」と期待する。
もしウリベがメダルを獲得したら、コロンビアはどんな騒ぎになるだろう。そんな歴史的瞬間を想像するだけで、さらにリオ五輪が待ち遠しくなった。

▲5月に開催された「ヨコハマタイヤLPGAクラシック」の練習日に行われたイベント「オリンピックチャレンジ」で、場を盛り上げるウリベ(中央)
南しずか みなみ・しずか
1979年生まれ、東京都出身。ニューヨーク在住。2009年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や「ナンバー」「Sports Illustrated」など、スポーツ誌に写真を提供。
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