[編集部]さて、今月は飛距離アップのためのトレーニングですね。疲れないカラダ、飛ばすカラダをつくるためにはどこを鍛えるんですか?
武井 それはもうココっしょ(太モモをたたく武井)。体幹なども大切ですが、一般のアマチュアは下半身からです!
――なるほど。強く振るカラダを支え安定させたり、踏み込んだりするのに強靭な足腰が必要だっていいますもんね。18ホール歩いても疲れないし。で、そのトレーニング法とは?
武井 ダッシュですね。とりあえず、ティショットを打ったらセカンド地点まではダッシュしましょう。
――ん? それってキツくないですか? 先月号で「いつ、どこでも、だれでも簡単にできるもの」を教えるっていっていましたが・・・。
武井 ダッシュはどこでもできるでしょ! 全力で走るだけですからね ! しかもゴルフ場なんか最高の環境ですよ。芝の上で負担が軽いから、ボクサーや野球選手も自主トレによく使うような場ですし。ゴルフ場をゴルフだけをする場と考えているようではもったいないですよ!
――ハァハァいっちゃって、プレーどころじゃなくなりません?
武井 早くセカンド地点までいけば、状況判断の時間が長くとれる特典までつきます。余談ですが、ボクはむかし若洲ゴルフリンクスでキャディのアルバイトをしていたとき、結構有名だったんですよ。打ち終わるたびに全力で走り、バンカーをジャンプで飛び越えるキャディがいるって。
――キャディをしながらダッシュ?なんでまた?
武井 ただクラブを運んだりするだけでは、肉体になんにも起こらないんで。ボールを見つけるのが早いって好評でしたよ。
――そもそも武井さんはダッシュをよく勧めますよね。ダッシュのなにがそんなにいいんですか?
武井 ダッシュは、下半身だけでなく全身が確実に強くなるオールマイティな動きです。全力疾走というとおり「全力」ですから、自分のカラダにかける強度がほぼ100%なんです。世の中にはたった1分でやせるとか筋力がつくという器具なんかがありますが、ダッシュのほうが全然すごい。体力、筋力だけでなく免疫力も高まるから病気をしなくなる。元気になるから笑顔でいられる時間が長くなるんです!
――ダッシュはしなきゃ損ですね。
武井 大損ですよ。お金は使わなければ利子がついて増えますが、体力や筋力は使うほどどんどん増える。
――ただやっぱり一般ゴルファーには荷が重いトレーニング法かと・・・。
武井 最初は100の力じゃな'くて50%の力、走るのも1ホール、5秒間だけでもいい。これを先月に話したヘッドスピードアップ法と同じく、少しずつ量を増やしていけばオッケー。今日やったことは、明日には楽にできるようになるんで「ダッシュしても前より疲れねーぞ」「なんか先月より飛んでるぞ」みたい現象が起こりますから。
――確実に前進していくんですね。
武井 ダッシュを面倒くさがったり、あまくみているヤツはいざというときに動けないから、ゴルフ場でイノシシが出ても対処できませんしね。そんな体力じゃ飛距離だって伸びないから、スコアも伸びにくいっすよ。
――ボクは仕事柄、これまで1000回以上はゴルフ場に行きましたが、イノシシに出会ったことは一度もありませんけどね・・・。参考までに運動不足のサラリーマンゴルファーは、なにからはじめたらいいですか?
武井 そうですね。勝っても負けてもいいので、乗用カートと競争しましょうか。カートはそんなにスピードも速くないんで。いい伴走相手になってうらやましいですね。
――うらやましい?
武井 ボクのレベルでは遅すぎて。おそらくボクより速いカートってのは、この世に存在しないでしょ。
――武井さんのスピードを超えたら、カート事故が多発しますよ。
武井 それは危険ですね(笑)
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