戦いははじまった瞬間が重要なポイント。ゴルフでいえば朝イチのティショット。うまく打てれば、自分にいい流れを呼び込める。相手に与える印象も半端じゃない。「こいつ飛ぶな、曲がらないな」とビビらせたらこっちのものだ。弱気になるな! 自分にとってやさしい状況をつくり出して「ドカーン!」と思いきって行け!
(実力チェックのラウンドを終えて)
[編集部]まずは、先月「無理だ」「できない」といったことをお詫びします。はっきりいって脱帽です。6800ヤードを超えるバックティからやって、39・39のトータル78とは……。
武井 1バーディの7ボギーですか。久しぶりにしてはまずまずでした(笑)
――とくにドライバーは圧巻でした。ボギーのところはコースのレイアウトがよくわからないままティショットを打って、それがやっかいな場所に飛んでしまってのトラブルが原因でしたからね。だいたい飛びすぎなんですよ! 平均で280ヤードくらいでしたが、男子ツアーでも80位以内に入りますよ。
武井 しかも、大きく曲がらないから、致命的なミスになっていませんでしたよね。ホールがわかっていたらパープレーもあった、という感じのラウンドでした。
――スタートの20分前にきて、準備したのがカラダではなくヘアスタイルだけなのに。
武井 すみません。ちょっとではなく、大幅に道を間違えてしまって。それにクセっ毛なので髪をセットするのは大事なことなんです(笑)
――それでいきなりフェアウェイのど真ん中ですから。しかも、打ち下ろしとはいえ300ヤードは飛んでいましたよ。
武井 ゴルフは全然できていないけど、ボクのなかではやることがシンプルになってきているんですよ。ドライバーは打つ状況を自分なりにやさしくできるので、ここにクラブを通すだけでオッケーというメソッドがある。だから、あまり練習しなくてもナイスショットが打てるので、不安がまったくありません。
――アマチュアだと、ドライバーが優しいとはなかなか思えないんですが……。
武井 ライも足場も平らでティアップしているんですよ。それをイージーと思えないのはメンタルが弱いですね。
――とにかく、ドライバーは武井さんにとって大きな武器だと思います。
武井 大きなアドバンテージになる武器ですね。まず、ドライバーでナイスショットを打つ。はい、それだけでもうこのホールに対しての不安の半分はおさらばです。これならパーはもちろんバーディも行けんぞ! と思えるので、心に余裕ができてプレーの流れもよくなるんですよ。
――たしかに。次打をいい状況から打つのは、大たたきをしないコツですからね。
武井 それから、相手に与える影響も半端じゃないです。
――相手にですか?
武井 ボクはこれからプロと戦い、プロから学びながらプロゴルファーになるという企画をやるわけですが、その戦いではもちろん勝敗にもこだわっていきます。
――はい。それは先月に宣言したとおりですが。
武井 戦いがはじまった1番ホールのティショット。ボクがドライバーをドカーンと打つ。それを見たプロは「えっ…… マジで?」となる。その飛距離でいきなりメンタルからポキッと折ってみせますよ。
――たしかに。武井さんの飛距離は男子プロと同等、女子プロだと確実にオーバードライブするでしょうね。
武井 相手が女子プロだったら、同じティじゃずるいと弱気にさせますよ。
「武井さんはバックティからやるべきです」なんていわせたら、もうボクの勝ち。気持ちのうえでもうアドバンテージを得ているんですから楽勝です。
――勝負となるとそういうのが影響するんでしょうね。
武井 ええ。絶大な影響力がありますよ。ゴルフはメンタルが重要で、ボクのメンタルはモーレツ強いですから! あと対決を前に、もうひとつ気になることがあるんですが。
――なんですか?
武井 ボクはクラブフィッティングとかいっさい受けたことがないんですが、ボクのクラブセッティング見てどう思いますか?
――わたしはゴルフ雑誌の編集ですからクラブは多少くわしいですが、よくもまぁこのセッティングでどのクラブもうまく打つなぁ、というのが正直な感想です。
武井 グチャグチャでしょ。完ぺきなセッティングになったらどうなると思います?
――いまはクラブに合わせてスイングしているように見えるので、それがなくなったらよりスコアがよくなると思います。
武井 よし、決めた! 対決前にクラブフィッティングをお願いできますか?
――おもしろそうですね! できるだけ多くのメーカーに声をかけてみますよ!
武井 いろんなクラブを打ってみたいですが、ボクなんかのために集まってくれますかねぇ……。
1打目で与えるインパクトが重要。おどろきでたくさんの人を惹きつけたい
朝イチのこのホールは、ドライバーを曲げると大ケガするらしい。パー5だし刻む人も多いみたいだけど、オレは迷わずドライバーを振ってやった。ここでミスをするなら、いまのオレはそこまでの男ってこと。だが、打球はイメージどおりフェアウェイセンターに。担当編集もオレを見にきたサルもおどろいていた。オレはその顔が見たかったんだ。だって、ギャラリーを喜ばせたいでしょ!
クラブはオレを大幅によくするノビシロだ
いまのギアは寄せ集めで、クラブに合わせて打っている状態。バラバラのクラブは武井壮のウィークポイントであり、逆にいえばノビシロだ。きちんとしたセッティングにしたら、オレはよくなる方向にしか進みようがない。自分の手足のように使えるクラブを手にした瞬間、オレはさらに最強へと一歩近づくだろう
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