ハロー、エブリバディ。テレビやラジオで知ってくれている方もいるかと思うけど、今月から連載を担当することになったタケ小山です。こう見えて、米国移住生活18年。その間に、多くの国のツアーを見分してきたんですよ。だから向こうの選手やコーチ、コースなんかにも少なからず精通していて、そこがボクの強み。ツアー中継の解説もしているけど、テレビでは伝えきれないことがたくさんある。日ごろから疑問に感じているゴルフ界のあれこれを問題定義していくので、読者のみなさんも一緒に考えてくれれば幸いです。
で、初回はツアー会場のドライビングレンジにある練習ボールについていわせてほしい。
6月に行われた「ツアー選手権」に行って感じたことなんだけど、試合会場の練習場のボールが4種類用意されていたんだ。さすが日本のメジャーというべきか。え? いってる意味がわからないって? じつは日本の場合、ほとんどの試合の練習ボールは1社だけ。つまり、そのボールを使ってる選手を除き、ドライビングレンジでは自分の使用球で練習できないってことなんだ。プロの試合でですよ! いつもと違うボールで練習したって、本来の自分の調子をはかることはむずかしいよね。多くの海外ツアーの試合では、選手それぞれの使用球が会場に用意されているし、第五のメジャーといわれる「ツアー選手権」の会場「TPCソーグラス」なんか、ツアーメンバー全員の使用球が年中用意されているんだ。プロとして最高のパフォーマンスを発揮してもらうためには、ツアー側もできるかぎりのホスピタリティで接しているんだ。

▲JGTO主催「ツアー選手権」は4種類(タイトリスト2種)用意されたが、1種類しかない試合がほとんど
まあ4種類用意される試合もあることだし、日本も少しずつ進化しているんだろうけど、「プロはプレーで魅せてなんぼ」という意味ではまだまだ改善点は多いと感じてしまう。
ちなみに、ツアーメンバーの友人とソーグラスに行ったとき、彼には使用球が用意されていたけど、資格のないボクにキャディマスターはひと言「ユー、ストライパー」。ストライプ=センターに赤いラインのあるレンジボールのことで、ボクはそれしか打つことができないから、ストライパー(笑)。
日本の選手たちは試合会場以外の練習場では練習場ボール。米ツアーの選手はホームの練習場で自分の試合球と同じ球、自分の球で練習しているんだよ。この違いは……。
●タケ小山(小山武明こやま・たけあき)――1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)ほかラジオやコラムニストとしても活躍。東京都出身。
写真=前田俊二
イラスト=小豆だるま
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