連載コラム


ロッカールームは選手の聖域。なのに日本は・・・

2013/8/30 21:00

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 ハロー、エブリバディ。ちょっと前だけど、全英オープンを生で見たタケ小山です。今年のミュアフィールドは北海からの北風が吹き荒れなくてもあのスコア。真のリンクスゴルフを目に焼きつけて来ましたよ。

 で、それと関係あるようなないような話なんだけど、ツアー中の選手のロッカールームについて、前から感じていたことをいわせてほしい。欧米では、シード選手は試合ごとに使うロッカーが決まっていて、キーを開けるとボールやシューズ、ウエアなどの消耗品がきちんと用意されているんだ。サッカーやベースボールの選手のロッカーといえば、イメージできるかもしれないが、気持ちが引き締まるよね。用品メーカーのツアー担当が契約プロのロッカーにあらかじめ入れておく、という仕組み。日本の場合は自宅にダンボールでどさっと送られてくるとか、ツアー会場でツアーバンに取りに行くとか、選手の負担が大きいんだ。

▲全英オープンでは、ロッカールームに入れるのは選手とキャディのみ。入り口にはガードマンがいて厳重にチェックしている。



 しかも、欧米ではツアー中のロッカールームはだれでも入れるわけじゃない。たとえば全英ならロッカールームは選手とキャディだけしか入れない。なかにはマネージャーも入れる試合もあるけれど、試合ごとにレギュレーション(規則)がはっきりしているんだ。ところが、日本ではその辺が非常にあいまいなんです。

 あれは、18年間日本を離れ、世界各国をまわって07年に日本ツアーに復帰したときのこと。いままでのようにロッカールームで全裸になって着替えようとしたその時。なんと女性の姿が複数……。ボクは思わずそばにいた某外国人選手に英語で聞いたんだ。「なぜ男子のロッカールームに女性がいるんだ?」。すると、「選手のキャディたちだよ。タケ、不思議だろ。でも日本ではこうなんだ」。よく見ると、女性だけじゃない。コーチのような人、トレーナーのような人、マネージャーのような人……。選手以外の人がうじゃうじゃいた。そしてそれはいまも変わっていない。

 なにがいいたいかというと、ロッカールームは選手たちが試合モードのスイッチをオン・オフするところ、ある意味聖域なんですよ。そこの部分のコントラストがはっきりしている欧米と、白黒ごちゃまぜのグレーな日本。猥雑なロッカールームの雰囲気を引きずったままコースに出ることになる。それは少なからずプレーに影響すると、ボクは思うわけですが、みなさんはどう思いますか?


●タケ小山(小山武明こやま・たけあき)――1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)ほかラジオやコラムニストとしても活躍。東京都出身。

写真=田辺安啓
イラスト=小豆だるま

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