ハロー、エブリバディ! 読者並びにお休み中の男子プロどの。暑中お見舞い申し上げます。米男子ツアーはシーズン終盤戦に突入。選手は来季シード権のフェデックスカップポイント125位以内に残るべく、バケーション返上で稼いでいるなか、日本男子はあいだに地区オープンの福島オープンを挟んだなんと7週間のロングロングバケーション中。しかもこれまでに終了した試合(たった8試合。うち1試合はアジアンツアー、1試合は関西オープン)で、ほぼ来季のシード権は確定したといっていい。なぜなら9月から、日本恒例「秋の互助会シリーズ」がはじまるからなのだ。
え? 互助会シリーズとはなんだって? しかたない、これをテーマにした連載第5回(1月号)を読んでない人のために、もう一度説明するとしよう。
日本男子ツアーは9月から、高額賞金のかかるビッグトーナメントが続き、「秋の陣」として目玉扱いしているわけだけど、なんと終盤になるほど出場できる人数が減っていくから高額な賞金は前半戦(しつこいがわずか8試合)の賞金ランク上位者たちで山分けすることになる。まさに「互助会」。前半、しつこいがわずか8試合で稼げなかった選手は、盛り上がる後半戦には出られないというわけ。だいたい、芝も枯れてくる秋から冬にビッグトーナメントが目白押しとはなんともったいない。寒いしすぐに日が暮れるし、観戦するギャラリーだって大変だ! なぜ、現在試合のない夏にくりあげないのか? 日照時間も長いこの時期なら、たくさんの選手が出場できるはず。そうすれば、竹谷佳孝みたいに新しいヒーローが生まれるかもしれないのに……。
「ビッグトーナメントを真夏にできない」というなら、各地区のゴルフ連盟主催の地区オープンをJGTO公認ツアーにするなどすればいい。スポンサーを探してイチから試合を構築するよりよっぽど現実的。実際、試合に飢えたプロたちはせっせと出場している。ただ、目玉となるプロが拡散してしまい、「プレーで魅せてお金を稼ぐ」という第一の概念から少しはずれてしまい、資金もファンも集まりにくいのが現状。ツアー公認になり、アンダーJGTOの試合になれば選手は同じベクトルを向くし、上位者には主催者推薦としてレギュラーツアー後半戦に出られる資格を与えるなどすれば、まだまだ一発逆転のチャンスもあるというもの。ネット中継するスポンサーだって出てくるだろう。
そうするためには、ツアー側に10年後、30年後を見据えたビジョンをもつリーダーの選出と試合構築をみずから行う部署の設立が望まれる。みずからの試合構築ができれば、試合数増加に伴う独自コンテンツやマーチャンダイジングなどの副産物も多く生まれて、ツアー自身が大きく成長できるのだ。大きな母体をもつことで新たなるヒーローを生み出すことも可能になるのだから。
こういう小さな試合をツアーに組み込めば、賞金総額は少なくても、年間40試合はいけるはず。そんなにむずかしいことじゃないと、わたしは思うんですけどねぇ……。
ロングバケーションを望むプロなんていない!JGTOは地区オープンを傘下に入れるべき
「福島オープン」がレギュラーツアーに!
レギュラーツアーの閑散期に新規ツアーとして名乗りを上げたのは、7月31日から8月3日に行われる「ダンロップ・スリクソン福島オープン」だ。ダンロップスポーツが、今年で20年目を迎える地区オープン「福島オープンゴルフ」の主催者として新たに参加。多くの選手に出場機会を与え、ツアーの活性化を図るのが目的という。賞金総額はツアー最少の5000万円。出場者はツアー最多の156人。
この記事が気に入ったら
SNSでシェアしましょう!