ハロー、エブリバディ!米ツアーでは新シーズンがはじまり、1年後のプレーオフ出場に向け、すでに下位選手の間では真剣勝負が繰り広げられている…。かたや日本では賞金王、女王争いの最終コーナー。ようやく、来季の試合数の話題が出てきたが、男子ツアーの盛り返しはむずかしいだろう。再三お話ししているように、日本のゴルフ界はまさに、がけっぷち状態なのである。
幸いにも今年は、その危機感を共有するゴルフに造詣の深い政治家、著名人、メーカー、プロなどゴルフを愛する有志が集まり「日本ゴルフ改革会議」が発足された。タケ自身も参加しているのだが、最初の議題はやはり2020年東京五輪問題だった。アジェンダがボヤけてしまっては会議にはならないし、目標を失ってしまってはやる意味がない。意見を出すだけ、いいたいことをいうだけでは、このゴルフ界最大の危機は乗り越えることはできない。大きな変化を求めるには、大きな山にぶつかって行く勇気も必要なのだ。
日本スポーツの大本山がJOC・日本オリンピック協会なら、日本ゴルフの大本山ともいえるJGA・日本ゴルフ協会。そのJGA内に東京五輪ゴルフ対策本部が設立され、会場が名門の霞ヶ関CCに決定した理由と経緯を求めることからはじめた。この低迷する日本ゴルフ界は、ゴルフ人口もゴルフ産業も急激な右肩下がりであることを理解しなければならない。2020年に行われる東京五輪でゴルフが正式競技として行われる、公共性のあるスポーツとして認知させるには公共施設でやることが望ましいのではないかと思う次第である。
プロゴルフの活性化などといっている輩が多いが、本末転倒!アマチュアがいてのプロを理解していない愚の骨頂である。その結果、ゴルフ業界のいたるところで同様のシンポジウムが複数開催されるようになった。自分たちのやり方で、一石を投じたいのはわかる。しかし、のろしがいたるところに上がると、本当ののろしがわからなくなってしまわないだろうか?目的はみな同じなのに、なぜひとつになれないのか?腐敗した「ゴルフ界」に改革を求めるなら、一丸となり大きな力をつくる必要があるのは、現状のゴルフ界を見てきた人ならわかるはずではないか。目的はゴルフ界の活性化であるのなら、まずは6年後の一大イベント『東京五輪』に業界全体が的をひとつに絞っていくのもいいことだと思うのだが。
"のろしがいたるところで上がると、路頭に迷う"
期限は2020年の東京オリンピック。それまでの6年のあいだにできるかぎりのことを変えていかなければ日本のゴルフに未来はない。かぎられた時間しか残されていないいま、足の引っぱりあいにならないことを願うばかりである。
目標は2020年東京オリンピック。ゴルフ界の未来はこのチャンスにかかっているのだ!なぜ一丸となれないのか!
日本のゴルフ界の問題を提言「日本ゴルフ改革会議」とは!?
日本のゴルフ界の問題をさまざまな角度から検討し、できるところから実現していこうといういままでにない団体。議長は評論家で日本プロゴルフ殿堂外部理事である大宅映子氏。会議は月に1度のペースで行われ、参加は自由。各回の議事録はFBなどですべて公開されている。
タケ小山
本名=小山武明(こやま・たけあき)――1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)ほかラジオやコラムニストとしても活躍。東京都出身。
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