連載コラム


日本にもプレミアムなパブリックコースがもっとあっていいのでは

2014/12/18 21:00

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 ハロー、エブリバディ!今年も残すところあと1カ月。仕事もゴルフも思い残すことのないよう、最後まで全力で走り切るつもりです。応援、よろしくお願いします。

 さて、わたしの今年の活動のひとつに、2020年東京オリンピックでのゴルフ競技を未来のゴルフ界にどうつなげるか?というテーマがあるんですが、この問題にかかわってつくづく感じること。それは、日本にパブリックコースはたくさんあるけれど、ちょっと特別な、ある意味エクスクルーシブな高級パブリックコースがないってことです。

 英語でいうパブリックは公共という意味で、そもそも、貴族階級など裕福な人が私的につくった施設などを、公の民に開放し共に興じる、というのが定義。日本のパブリックコースはたしかにだれでもできる公共性はあるけれど、安くて気軽というイメージが強い。もちろん、ローランクのコースがあってもいいが、ステイタスのあるハイランクのパブリックコースが必要では?とわたしは思うのです。

 たとえばアメリカには、世界トップ3の「ペブルビーチゴルフリンクス」をはじめ、サンディエゴの「トーリーパインズ」、世界一の都市ニューヨークにある「ベスペイジステートパーク」など、ハイランクのパブリックコースがたくさんある。そして魅力的なのは、それらのコースでナショナルオープンが行われるところ。日本にも、会員制ではあるがホテルに宿泊すればプレーできる、しかしそのためには大金を払う必要がある、つまり、ステイタスのある人だけに開放された「川奈ホテルゴルフコース」があったが、バブル崩壊で経営破たんしプリンスホテルに事業を承継してからは、完全にパブリックコース化され、当時のようなエクスクルーシブ感はなくなってしまった。

 日本のゴルフ3大競技会といえば、ゴルフの大本山であるJGA(日本ゴルフ協会)が主催する、日本オープン、日本女子オープン、日本シニアオープン。この3大ナショナルオープンをパブリックで開催、観戦したことがありますか? 大切なのは、ゴルフは身近なスポーツであること、リクリエーションであることなのですよ。テレビで見た、ナショナルオープンを開催したコースでいつかはプレーしたい。パブリックだから、がんばればいつかはプレーできる。国民に関わらず、海外から訪れる旅行者があとを絶たない。そんなパブリックコースをもてる国、それほどゴルフを大好きな、愛している国にしたいのです。

 ゴルファーの士気を高めてくれる夢のあるコース、海外からも旅行者が来るようなあこがれのパブリックコース。今後の日本のゴルフ界を考えれば、そういったコースが必要であり。そしてそれをつくれるチャンスは2020年東京オリンピックでもあるのです。パブリック=公共性。この言葉が国に根づき、本物の意味で使える国に成長するチャンスでもある。本物のパブリックコースと名門といわれるパブリックコースが我が国にあってもおかしくないのでは? ないだろうか?

20〜30年後でいい。日本のパブリックコースでナショナルオープンを開催する時代が来ることを切望します


メジャー大会が開かれるアメリカのパブリックコース


「ペブルビーチGL」「トーリーパインズGC」「ベスペイジステートパーク」など、アメリカでは定期的にパブリックコースで全米オープンが開催される。高額なプレーフィを払わなければできないコースもあるが、どこも長い年月、しかも年間を通して世界中からゴルファーが集まる人気コースだ。


タケ小山
本名=小山武明(こやま・たけあき)――1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)ほかラジオやコラムニストとしても活躍。東京都出身。

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