連載コラム


世界最大のジュニア育成プログラム「ザ・ファースト・ティ」が日本に上陸!

2015/5/21 21:00

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 ハローエブリバディ!コースの芝も木々も緑が濃くなり、最高のゴルフシーズン。家族、友人、恋人、同僚…。いろいろなゴルフ仲間と、思いっきりプレーを楽しんでほしいね。

 さて、今月の話題は、以前吠えさせてもらったジュニアゴルファー教育のお話。

 つい先月、「ファースト・ティ・プログラム」が、本格的に日本に上陸した。これはわたしも大賛成。ゴルフ界にとっては待望の上陸といえるだろう。じつは7〜8年前、一度上陸しかけたのだが、既存の団体との問題で頓挫したことがある。その代わりなのか、スナッグゴルフの普及活動が積極的にはじまった。もちろん、スナッグゴルフはゴルフの基本の動きを学べるし、子どもでもやさしく楽しめる。でも、学べるのは技術であり、ゴルフの本質までは学習することはできない。

 また、学校や練習場で行われているジュニアスクールのほとんどはレッスンプロやプロの予備軍がティーチングしていて、メニューはうまくなるための技術が中心だ。

 じつは「ファースト・ティ・プログラム」には、ゴルフの技術向上のことはひとつも掲げていない。将来活躍するプロを育てるのではなく、目的はあくまでも、ゴルフを通じて子どもたちにライフスキルや人生の価値を教えるとことなのだ。プログラムはこれを、「ナインコアバリュー」と定義しているが、これは「正直」、「誠実」、「スポーツマンシップ」、「尊敬」、「信頼」、「責任」、「忍耐」、「礼儀」、「判断力」という9つの価値。ゴルフというスポーツは、この価値を学べる唯一のスポーツであるとわたしは思っている。まさに、高等の人間教育。だから、読者の御子息をぜひ参加させていただきたい。ゴルフを通じて高等の人間教育を受けたものが、将来役員や議員、官僚になる。そしていつか、「ファースト・ティ」を学んだカントリークラブのメンバーになって家族や仲間とゴルフを楽しむ。勝つゴルフを教えられたわけじゃないから、自然とゴルフ愛好者になってもらえると、わたしは考えるのだ。

 仕事柄、プロを目指して挫折し、ゴルフさえもやめてしまったジュニアを何人も見てきた。プロになっても生活できず、仕事も、人間としてもつぶしのきかない同業者を何人も知っている。年間たった27試合に出るツアープロを目指し、お金と時間を浪費してゴルフを習わせている親御さんにわたしはいいたい。

 ゴルフを通じて人間として大切なモノを学ばせるチャンスを生かしてみませんか?


人間として生きていくための能力を学べるのがゴルフというスポーツ。ゴルフがうまくなるためのジュニア育成はいらない


ファースト・ティ・プログラムとは


1977年、アメリカ・フロリダ州でスタート。「子どもたちにゴルフを通じて人格形成と人生に充実感をもたらす多様な価値観を促進する学習施設と教育プログラムを提供し、「ライフスキル」(生きていく上で必要な能力)や人生の価値を教えること」がコンセプトだ。


タケ小山
本名=小山武明(こやま・たけあき)――1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)ほかラジオやコラムニストとしても活躍。東京都出身。

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