イラスト=北沢夕芸
ハローエブリバディ!2016年もあとわずか。皆さんはどんな1年でしたか?私は今年もゴルフ界にモノ申してきましたが、来年もおかしいと思ったら、ズバズバと感じたことを話すつもりですので、どうぞよろしくお願いします。
今回は皆さんのお財布に関係する話題。最近、ゴルフ場利用税の廃止の動きが話題になりましたが、結局見送り。これを廃止すれば、ゴルフにかかるお金が安くなり、もっと多くの人が手軽にゴルフを楽しめるという目論みだったのだが…。他の財源が見つからず、市町村からの猛反発を受けて断念…。なんとも、中途半端な幕引きになってしまった。
そもそも、ゴルフ場利用税というのは、ゴルフ場を利用した人が負担する税金。都道府県に納付され、そのうちの7割がそのゴルフ場の所在する市町村に交付されるというもの。たしかに、ゴルフ場を維持するのに道路や上下水道の整備などにお金がかかるのも事実。なのに、いきなり「ゴルフ場利用税は廃止」にしたら「代わりの財源はないのに、どうするんだ!」と市町村が反対するのは当然だ。
しかし!一言いわせてほしい!オリンピック競技のなかで、スポーツをするのに税がかかるのはゴルフだけ。しかもゴルフ場利用税は、アンフェアな税なのだ。
例えば、ゴルフ場が多い市町村では、ゴルフ場利用税が多く集まり公共サービスに還元される。しかし、ゴルフ場が少ない市町村は、税収は少なくゴルフ場の整備にかかるお金のほうが多いということもある。つまり、ゴルフ場利用税で儲かっている市町村もあれば、ゴルフ場を維持するのにお金を払っているところもあるってこと。税は本来、平等であるはずなのに、とんでもなくアンフェアな状態じゃありませんか?
ラウンドするとこんなデタラメな税を、皆さんは毎回払っているのです。ゴルファーの方は、自分が払っている税についてもっと知ってほしいし、一緒に解決法を考えていただきたい。
もし私が提案するなら、税ではなく「ゴルフ利用フィー」に改名しますね。ゴルファーたるもの、ゴルフ場を利用したらそのぶんの使用料は払わないといけない。それは当たり前。ただ、それが“税”であることがおかしい。ゴルフ場の整備にかかる金額をカバーできるように、ゴルフ場もしくは市町村ごとに料金を設定すれば、アンフェアな状況は、すぐに解決するだろう。
オリンピック競技として東京五輪でゴルフを盛り上げていくためには、そういう細かい部分から正していく必要がある。それくらい徹底してやらないと、ゴルフ界の本当の意味での“改革”につながらないような気がするのだが…。皆さん、どう思いますでしょうか?
スポーツするのに税金を払うなんてオリンピック競技のなかでもゴルフだけ。だからといって、税をいきなり廃止するのではなく、現実的な解決策を模索する必要があるだろう
ゴルフ場利用税は、ゴルフ場の規模などによって金額が決められている。税収額は年間500億円近く、7割の350億円がゴルフ場のある市町村に交付される。
タケ小山
本名=小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)ほかラジオやコラムニストとしても活躍。東京都出身。
この記事が気に入ったら
SNSでシェアしましょう!