百獣の王・武井壮が、ゴルフ界でもトップを目指すために女子プロゴルファーと対決!ところが、対戦成績は本人もまさかの3連敗…。勝利に向けてのテコ入れとして、あのカリスマコーチにアドハイスを求めることになった。
写真=小林 司/協力=日神グループ 平川カントリークラブ/衣装協力=キャロウェイアパレル
[編集部] 女子プロとの対決も、これまで3戦3敗。今後はどうしましょうか?
武井 今後も対決しますよ。そして必ず倒す!
――やる気はつねに感じていますが、そろそろ白星がほしいので、なにかレベルアップするようなことをやったほうがいいのでは、と思うのですが…
武井 そうですね。百獣の王としてはこれ以上、黒星を重ねるわけにはいきませんし。でも、ショットやプレーの内容は決して劣っているわけではありません。どうしようもない大きなミスが何回か出て、簡単にポロッと落としてしまう。そんな感じが毎回続いているから、スイングを仕上げたいという希望はありますね。
――やはり、もっと練習量を増やさないといけないのでは?
武井 ただ練習をすればいいだけではない。気になるコーチがふたりいるので、ここはひとつレッスンというよりその人に会ってお話を聞きたいですね。
――いいですね!で、その気になるコーチとは?
武井 ひとりは中井学コーチです。
――なぜ、中井さん?
武井 賢そうだな、と。雑誌やウェブなどでお話しているのを読んだり見たりしてそう思うので。
――たしかに中井さんは、骨格とか運動力学などもレッスンに取り入れるので、武井さんとは話も合いそうですね。
武井 ゴルフのレッスンってカタチやクラブの軌道に目が行きがちですが、スポーツは頭の中で思っていることが大切。頭で思ったことをカラダに指令を出し、そのとおりに動くためにはどうするのか?それも実戦でね。ボクはそういうタイプの選手。中井コーチは自身も頻繁にプレーしているらしいから、その経験からフィードバックした理論がボクを刺激して、解決へと導いてくれるのではないかと期待しています。
――武井さんがそこまでいうなら、早急に中井さんとのラウンドをセッティングしましょう!
というわけで、百獣の王、誌上初のラウンドレッスン!
中井 学 なかい・がく
1971年生まれ。当サイトレッスン企画でおなじみのカリスマコーチ。アマチュア、ツアープロへの指導だけでなく、QTに挑戦する現役バリバリの競技ゴルファー。
まずは中井が武井のゴルフをチェック
百獣の王の規格外!?なスイングの全貌があきらかに!
武井 数ホール見ていただき、具体的にどこを直すとかじゃなくて、率直にボクのゴルフってどうですか?
中井 ものすごいゴルフをしますね(笑)。1度出たミスや状況に対しての修正能力、調整能力が半端じゃない。ですから、毎回どこか変わるスイングをしていますね。
武井 そうなんですよ。それでもなんとかして前に進むことはできるし、スコアもつくれる。でも、本当はなにをしていいのか、まったくわかっていないんです。
中井 そんな感じのゴルフでも70台が出たり、この企画でもプロにも勝ちそうになるとかでその場しのぎでもOKだったのが武井さんのゴルフ。一般ゴルファーなら1打ごとに違うスイングで打っていたら、ゴルフが壊れてしまうんですけどね。マイナス×マイナスがエグいくらいプラスになっている。だけど、いくらすごくてもその1打のためだけのスイングでは、コンディションやロケーションが変わると通用しなくなってしまいます。
武井 まさにそのとおり!正直、これまでになんのよどみもなく気持ちよくスイングしたことなんて、1度もないんですよ。
中井 気持ちよさってすごく大事で、気持ちよく振れることは反復力を上げるコツでもあるんです。気持ち悪いという自覚があるのにあれだけの球が打てるのは、人間ワザではありません(笑)
武井 でも「これは絶対!」というお約束みたいな部分も自分のなかにあって、例えば構えてフェースを目標にセットしたら、その向きのままインパクトゾーンを通ってくれればいいや、と思っています。ところが、それ以前の始動の部分のバックスイングは、なにを思ってどこに上げるのかがまったくわからない。だって、クラブをどこに上げたってヘッドはボールに向かって下ろせる。どんな方法を使ってもクラブを戻すという作業をすれば、パワーはあるから飛んでくれる。まるで、すごく器用なゴリラですよ(笑)
中井 シャットフェースで引いたり、ときたまトップをコンパクトにするのは意図的ですか?
武井 ゴルフのスイングをすると、ダウンで左のヒザがどうしても左に流れて手が先に出てしまうクセがあるので、フェースが開いて当たりやすい。シャットに引いておけばちょっと開いてしまっても、スクエアに戻しやすい気がする。それも気がするだけですけどね(笑)。それでうまく間がとれれば真っすぐ飛ぶけど、戻しすぎるととんでもなく左に行くチーピンが出たりもします。でも、それってすごく使えない技術ですよね。確率を高めなくてはいけないゲームなのに、左・中・右からフタをあけてみないと当たりがわからない3択のギャンブルをやっているようなものです。
中井 武井さんは、さらにそのなかで本能的に左が危険と感じたら右に行かせることができるし、その逆もできますよね。
武井 ヘタなくせに球筋を左右どちらかに寄せることができてしまうから、真ん中が一番苦手なのかもしません。コンパクトなトップに関しては、トップまでに手元の上下動があることを自覚していて、その動きをスイングを小さくすることで解消できるかを試しているんです。でも結果はよくなかった。たしかに余計な動きをしていないから、真っすぐは飛ぶけど、これまた気持ち悪い…。
中井 コンパクトは個々の可動域や柔軟性の問題があって、武井さんのようにその両方のレベルが爆発的に高い人が、10動けるところを5に留めたらどうなるか。それは不完全燃焼のスイングでしかありません!
武井 なにに対しても軸がないからいいショットやスコアが出てもつまらないし、ほかのスポーツだと得られる達成感をゴルフに感じたことがありません。活路はクラブをどこに上げたらいいかを知ること。そこに大きな意味があり、それがボクのスイング改造、いや、ゴルフそのものの改革のスタートだと思っています。なんの足し引きも掛け算もなく、余計なものをすべて削りとった「これぞベストな上げ方やポジション!」というクラブの上げ方を教えてください!
武井さんのスイングは、どこに上げてもボールには戻せる「すごく器用なゴリラ」のスイング
武井壮のベストスイングは見つかるのか?いよいよ、中井学コーチによる、武井壮スイング改造がはじまります。
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