今月は久々に再開したふたりの近況報告と、前半4ホールを振り返るトークセッションをお楽しみください。(担当編集)
武井 こうやってお話するのも、ちょうど1年ぶりですね。このコーナーの初戦の相手が香妻プロでした。あのときのことは、いまでも忘れていません!
香妻 わたしも覚えています。
武井 ボクはスポーツの種目によっては、トップ選手が相手でもたまに勝つときがあるのに、前回の9ホールマッチプレー対決は、まさかのストレート負け…。5&4で負けるという、百獣の王かつてない負けっぷりでした。まさに悲劇です。
香妻 あっ、終わっちゃったって感じで、すみませんでした。
武井 思い出しただけでも悔しさが込み上げてきますが、こうやってリベンジする機会を与えていただいて感謝しています。
香妻 こちらこそ、ありがとうございます。
武井 女子プロとの対決もこれで4回目ですが、4戦中2戦が香妻プロということで、もうこのコーナーの準レギュラーですね。あの敗戦以来、ボクなりにちょいちょい練習に励み、コーチに教わったりもして、いまは過去最高にいい状態です。
香妻 ゴルフの調子は、すごくいいみたいですね。
武井 そうなんですよ。前とはまるっきり違うことをやっているんですが、普通にラウンドしたらパープレーではまわれそうなくらいの感じをつかんでいます。とくにアイアンは、きちんと向いているところに飛ばせる自信があります。
香妻 アイアン、いいですよね。ドライバーがフェアウェイに飛んだら、絶対にパーオンはするだろうなーってくらいよかった。
武井 ドライバーも悪い感じではないんですよ。悪い球は打ってますが(笑)。今回の対決の序盤は、自らピンチを作り出し、自ら劇的なリカバリーでパーを獲るドタバタしたプレーをしてしまいましたけど(笑)
香妻 1番ホールでの長い下りのパットの入れ方や、2、3番ホールでサードショットがピンに絡んでいるのを見て「あっ、これはティショットがうまくいったらバーディ獲ってきそう」と思いました。
武井 ドライバーは得意クラブだったんですけどねぇ。なんかこのコースだとうまくいかない。
香妻 それでもパー、パー、パーでまとめてきたじゃないですか。「わたしがバーディを獲らないと、今日は勝てないのかな?」と焦りました。でも、相手のことより自分がベストを尽くそうと、平常心を心がけました。
武井 香妻琴乃を焦らせるなんて、1年前よりも確実に成長している証拠ですね。しかし、ドライバーはなんでしょ?視覚的にやられちゃっているのかな?アドレスが取りづらくて左に行きそうな感じがしたり、それを嫌がって右に打ち出しちゃったり。
香妻 このコースは立ちにくいホールがいくつかありますよね。
武井 そういうときは、どうしています?
香妻 アドレスを目標に向けてきちんと決めたら、いつもどおりにスイングする。それしかないですね。練習場みたいな感じで打っています。
武井 練習場かぁ。でも、ボクは練習場が苦手なんです…。マットの向きとかに影響されちゃって。練習場を意識できる練習をするしかないですね(笑)
武井 昨シーズンに初シード権を獲得し、今シーズンはフル参戦。前半戦はどうでしたか?
香妻 ケガがあったりして、シーズン前に思い描いていたものとはだいぶ違った結果になってしまいました。うまくいかないことが多くて…。
武井 うまくいかない原因は、具体的にいうと?
香妻 腰痛がひどくて3試合欠場したり、出場しても3日間プレーするのが精一杯で練習も削っていました。わたしは練習で自信をつけて試合に出るタイプなので、自信がないまま試合に出てもいい結果が出なくて…。やりきった感がない試合が多かったですね。
武井 そうなると、できることができないままラウンドが終わってしまうんだよね。いま、腰の状態はどうですか?
香妻 気温のせいもあったので、いまはよくなって調子も上がってきてます。1週間の過ごし方の流れもやっとつかんできたところです。その成果がスコアに出たり出なかったりなんですけど、スイング的には自信をもって挑めるようになっています。
武井 相変わらずすごいドライバーを打ちますよね。
香妻 でも、いまドライバーが一番の課題なんですよ。
武井 あれで?
香妻 ぼんやりとあの辺じゃなくて「ピンポイントであそこを狙う」という感じは、まだ出ていないんです。
武井 ボクも狙い打てる日があったり、めちゃくちゃな日があったり。ゴルフって難しいよね。ところで、以前インタビューで「注目されることが増えて、それがプレッシャーになっている」と聞きましたが。
香妻 はい。試合期間中の取材が多くてそれが少しストレスでした。質問されたりするのがイヤとかじゃなくて「調子が悪いわたしより、もっとほかの選手に聞いたほうがいいんじゃないかなぁ」「わたしでいいのかなぁ」って、自信がなかったんです。
武井 でも、みんな香妻プロのコメントを聞きたいんじゃないかな。成績の良し悪しは気になるところでしょうが、スポーツ選手の価値ってたくさんの人に見てもらったり聞いてもらえることで生まれるから。
香妻 そうですよね。
武井 いまは表情も明るくなってきましたね。序盤はちょっと怒っているというか不機嫌そうな感じがあった気がします。
香妻 シーズン序盤はそうだったかもしれません。
武井 でも、その悔しそうな顔がたまらないというファンが多いというウワサですよ。香妻マニアは、ボギーを打ったときの表情に萌えるらしいです(笑)
香妻 えー!そうなんですか?
武井 負けず嫌いでしょ?
香妻 はい。よくいわれます。
武井 めっちゃ悔しそうだもん。
香妻 1回やってみたんですよ。「今日は怒らないようにしようよ」ってキャディさんにいわれて。でも、怒らないようにしていたら全然うまくいかなくて、途中でキャディさんに「ゴメンね。怒っていいよ」って謝られました。そういわれたら怒る気もしなくなって、その日は普通にプレーしました(笑)
武井 かみ合わなくなっちゃったんだね。集中の仕方って、じっと静かにする人もいれば、ニコニコ陽気な人、怒鳴りながら気合い入れる人とか、人それぞれだからね。でも、今日の香妻プロはとても明るくていい表情でプレーしていましたよ。それで思い出したんだけど、ボクがティショットがうまくいかないのは、そこに原因があるのかも…。うん、絶対そう!
香妻 どんな原因ですか?
武井 その理由は、次回ねっ。
香妻琴乃 こうづま・ことの
1992年4月17日生まれ。157cm。昨季大ブレイクした人気急上昇中の美人プロ。弟・陣一朗も男子ツアーに参戦中。姉弟で初優勝を目指す。鹿児島県出身。サマンサタバサ所属。
武井壮 たけい・そう
1973年生まれ。百獣の王として、メディアにひっぱりダコの超人気タレント。8月にフランス・リヨンで行われた世界マスターズ陸上の4×100メートルリレーのM40クラス(40〜44歳クラス)で悲願の金メダルを獲得。陸上世界一からゴルフ世界一を目指す。
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