可変機能のなかでも、ここ数年で一気に増えたのがロフト角可変。しかも、フェース角やライ角を変えることなく、ロフト角だけを変えられる画期的な構造に進化している。
新・可変時代到来多くのメリットで最適弾道を見つける
自分でロフトを変えられることは、アマチュアゴルファーにとって大きなメリットがあると、ロフト角可変の先駆者であるナイキゴルフの信田さんはいう。
「試打会などでフィッティングをしていて感じることは、ヘッドスピードに対してロフトが少なく飛距離をロスしている人が多いということです。最近はヘッドもボールも低スピンの傾向があるので、もっとロフトを増やして打ち出しを高くしたほうが飛距離は伸びるのですが、説明してもなかなか納得してもらえません。でも、最新のロフト可変は、フェース角やライ角を変えずにロフトの調整ができるので、同じ振り感で弾道の変化を見ることができる。飛距離の違いをはっきりとわかってもらえるので、多くの人に自分の最適ロフトを知っていただくことができます。ドライバーを買うときに、初めから11・5度や12度を選ぶ人は少ないですから、買ったあとでも調整できるというのは大きなメリットだと思います」
また、ロフト可変の特徴は、最適弾道が打てるだけではない。
「ロフトが少ないと自分で球を上げようとしてスイングが崩れていた人が、ロフトを増やすことでガラリとよくなることがあります。また、芝が伸びる夏場や雨の日はロフトを増やしてキャリーを伸ばし、冬場や風の強い日はロフトを減らしてランで飛ばすなど、季節や天候によってロフトを調整できるのも強みですね」
使い方によって、さまざまなメリットがある進化したロフト可変を活用して、自分にとっての最適弾道を手に入れよう。
従来の可変クラブ
360度回転するタイプは、スリーブの傾斜が大きく、1つの角度を変えるとフェース、ロフト、ライ角が複合的に変わってしまうのでロフトだけの可変が難しかった。
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これがナイキの単独可変を可能にする最新スリーブだ!
ロフトやフェース角が複合的に変わる欠点を補うために開発されたのが「フレックスロフト」。スリーブの傾きを最小限に抑え、スリーブの回転を360度から144度にすることでロフト角とフェース角の単独可変を実現した。
12.5度
10.5度
8.5度
ナイキゴルフ スリーブの進化
2009年
DYMO スクエア STR-FIT
フェース角とライ角を±2度の範囲で8段階に調整できる。スリーブが太く、シルバーのリングが指輪のようだといわれた。
2011年
VR プロ
フェース角とライ角の調整が8段階から32段階に。リングの色は目立たなくなったが、スリーブの太さは解消されていない。
2012年
VR_S フォージド
フェース角とライ角を±2度の範囲で8段階に調整できる。スリーブがスマートになり、アドレス時の違和感が解消された。
2013年
VR_S コバート2.0
ロフト角は8.5度〜12.5度で1度ずつ5段階、フェース角はスクエア、オープン、クローズ(±1.5度)を独立して調整できる。
2015年
ヴェイパー シリーズ
ロフトとフェース角の独立可変は前作と同じ。スリーブが短く重さも約5グラム軽くなって、構えやすさと振りやすさがアップ。
HS43m/秒のカノマタがテスト!一番飛ぶロフトは何度?
テストの結果、一番飛んだのはロフトがもっとも多い12度。「HS43m/秒くらいなら、フェースがスクエアに当たるとそれほどスピン量が増えないので、打ち出しが高いほうがキャリ
ーが伸びます。機会があれば試打会などで、ロフトの違いによる弾道や飛距離の変化を確かめてほしいですね」
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