構成=大西泉/協力=サザンヤードCC
今回、アマチュアのスイング動画撮影を行いながら、同時に番手別のミスを調査(調査人数は100名。スコアは67〜159)。ドライバーでのティショット、5、6番のアイアンショット、7番以下のアイアンショットの3つにわけて調査したところ、下記のような結果になった。
180ヤード前後は鬼門の距離!?
100人中、半分以上が5、6番アイアンで大ミス!
ドライバー
5、6番アイアン
7番アイアン以下
アマチュアにとって5〜6番アイアンの距離=残り180ヤード前後が鬼門であることが分かったところで、次にフェアウェイ、ラフ、ティショットの条件別に、5番アイアンとユーティリティの打ち比べを実施。どちらのクラブがミスを防げるか検証した。
状況別1 フェアウェイ

▲フェアウェイセンターから、5番アイアンと同じ距離が出るユーティリティでグリーンを狙って10球ずつ打ち、どちらがより多くグリーンに乗るかを検証。また、グリーンにキャリーしたボールは落ちてからの距離を計測し、クラブによってどのくらいランの差が出るかを調べた。
打ち比べ結果
高橋和也さん
34歳。ゴルフ歴5年、平均スコア100、ドライバーのヘッドスピード48m/秒。ショットの精度はイマイチだがパワーはピカイチ。5番アイアンの距離の目安は180〜190ヤード
5番アイアンでは大ダフリやチョロ、大きく曲げるミスなどが出たが、ユーティリティは3球グリーンに乗り、そのほかのボールもだいたいグリーンの近くに飛んだ。
飯沼史朗さん
50歳。ゴルフ歴25年、平均スコア74、ドライバーのヘッドスピード46m/秒。クラチャンに輝いたこともある実力の持ち主で、5番アイアンの距離の目安は180ヤード前後
さすがの実力で、どちらのクラブも大ミスは出なかったが、ユーティリティのほうが前後のバラつきが小さく、ナイスオン率も2倍以上という結果になった。
鹿又芳典
ツアープロから一般アマチュアまで、その人のスイングに合わせたクラブを組み立てるクラフトマン。スクラッチプレーヤーでドライバーのヘッドスピードは43m/秒
どちらのクラブもグリーンまわりに寄ったが、ナイスオン率はユーティリティのほうが2倍。5番アイアンは少しミスしただけでグリーンを外すことが多かった。
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[検証結果]ユーティリティ Win!
球が高〜く上がって、グリーンにピタッ!
深重心でクラブが長いユーティリティは球が上がりミスに強い!
5番アイアンよりもユーティリティのほうがナイスオン率が高い理由は、重心深度の深さとクラブの長さだとカノマタはいう。
「深重心のユーティリティは、浅重心の5番アイアンに比べて球が上がりやすく、オフセンターヒットに強いのが特長です。その結果、5番アイアンはわずかな打点のズレが飛距離と方向性のズレにつながってしまいますが、ユーティリティは多少打点がズレてもミスになりにくいのです。また、ユーティリティのほうがクラブが長いぶん、ヘッドスピードが上がるので、ラクに振っても同じ距離を打つことができます」(カノマタ)
「ユーティリティは風に弱いという理由から、これまで180ヤードは5番アイアンで打っていました。でも、ユーティリティのほうが明らかにミスの許容範囲が広いですね。これなら、十分使う価値があります」(飯沼)
「5番アイアンは構えたときに、うまく打たなきゃとか、球を上げなきゃと思って力が入り、大きなミスをしてしまいます。ユーティリティはやさしいだけでなく安心して打てるのもいいですね」(高橋)
5番アイアン

▲重心深度が浅い5番アイアンは、ボールが当たった衝撃でロフトが立つ方向にヘッドが傾くので打ち出しが低くなる
ユーティリティ

▲重心深度が深いユーティリティは、インパクトでヘッドがズレにくいので、ロフトどおりに球が上がって打ち出しが高くなる
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