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武井壮、本気でプロゴルファーを目指す!

武井壮×馬場ゆかり トークセッション前編

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武井 今月の対戦は、馬場プロにお越しいただきました。「また結構な大物が来たな」という感じです。まずは対戦前にいろいろとお話をしたいんですが、プロ生活は何年目になりますか?

馬場 今年で13年目ですね。

武井 10年以上となると、女子プロ界ではベテランですかね?

馬場 もうベテランかな?今年は33歳になる年なので、社会的にはまだまだ若いほうだとは思うんですが(笑)

武井 先ほどプロフィールを見たんですが……。

馬場 わたしもこの日のために、武井さんの経歴を見てきましたが、すごいし、尊敬できますよね。

武井 いえいえ。ボクなんてプラプラして好きなことばっかりやってきただけですよ(笑)。10年以上同じ道を進み極めるなんて、ボクにはまったくの未知で憧れます。

馬場 濃い人生でしたよ(笑)

武井 ツアーの優勝回数を見て「えっ!?」と驚いたんですが、馬場プロって3勝しかしていないんですね。1勝することを目標にガンバっている人が多い世界で、「3勝しか」なんていうと怒られちゃいますけど。もっと勝っているイメージがあります。



馬場 もう4年も、勝っていませんが(笑)

武井 そのわりにはというと失礼ですが、トーナメント中継でも雑誌などでもよく目にすることが多いですよね。それってアスリートにとってすごく大事なことだと思うのですが、なにか意識していることはありますか?

馬場 プロなので成績や結果を出すのはとても大事なことですが、それに加えて「プロ」というのは見せる商売でもあると思います。プレーだけでなくほかのいろんな面で見せなきゃいけないし、見られるぶん、人としてもお手本になる存在でなければいけないと、つねに思っています。



武井 素晴らしい!30歳そこそこで、よくできた子ですよ。

馬場 まだ、まったくできていませんけどね。武井さんみたいに、トークがもっともっとできるようになりたいです。

武井 いや、ちゃんとできていますよ。日本のプロスポーツ界は、ゴルフと野球とサッカー、テレビ中継の時間帯で考えると大相撲もかな?その4つがメジャーなスポーツに位置づけされていますが、それ以外のスポーツって競技だけでご飯を食べていくのが大変ですよね。その大きな原因のひとつは、馬場プロみたいにスポーツとエンターテインメントを両立させようとする人が少ないせいです。

馬場 ゴルフはプロ選手としてだけでなく、エンターテイナーとして活躍できる場が多いスポーツですよね。ゴルフの番組や雑誌などがたくさんありますし。そういうメディアだけでなく、企業の接待ゴルフなんかもお客さんを喜ばせる場所のひとつですし。



武井 ゴルフは老若男女が一緒にプレーできるので、とくに接待としては使いやすいツールですよね。陸上は100メートルやフルマラソンを「一緒に走りましょう!」なんていっても接待にはなりませんしね(笑)。せいぜい会社の運動会に参加して、爆発的に速い姿を見せて「はえー!すげー!」ってなるくらいですよ。でも、アスリートがスポーツの技術以外で人を楽しませる方法はいくらでもあります。たとえば馬場プロがいうようにトークとかね。ボクは、そういうことができるアスリートを育てたいと思っています。そういう場ができたら、ぜひ講師としてお話していただきたいですね。

馬場 いいですね。学校みたいなものですか?

武井 アスリートを育てる機関はたくさんあります。エンターテインメントのほうもタレント、芸人を育てる機関がいっぱいある。でも、その両方を教えるところはないんですよ。ボクは、スポーツと芸能はジャンルは違えど人を笑顔にするという点では同じだから、両方できるのがベストだと思っています。なのに、このふたつのジャンルは、両極に離れているのがいまの現状ですね。

馬場 アスリートは、競技だけを一生懸命やっていればいいと思う人は多いですよね。タレントのような活動の度がすぎると、叩かれたりしますから。

武井 そうなること自体がちょっと違うんではないかと。5年後には東京オリンピックがありますが、オリンピックの期間しか話題にならなかったり、期間中でさえ注目されず、誰も選手を知らない競技がある。そこに馬場プロみたいな選手がいて「この人なら知ってる」「あの人なんかおもしろいね」とか、表舞台に立って人を喜ばせる選手がひとりでも増えると、お金だったり人だったりが動いてくれるから、競技や選手自身の環境もずっとよくなるんです。

馬場 スポーツ選手も、エンターテインメント性が必要ですか?

武井 はい。特技があるのにその人を見ても知らない、憧れる人がいないことはとても残念なことですよね。女子プロ界が成功しているのは、宮里藍ちゃんや馬場プロのようなエンターテインメント性をもったプロが多く出てきて、あの人のプレーを見たい、あの人のようになりたいと憧れる存在が増えたからです。そうすると、スポンサーもつきやすくなるので、選手が潤う環境ができてきますよね。

馬場 いまの女子プロは、トップの選手じゃなくてもスポンサーがつきますからね。

武井 馬場プロにもたくさんのスポンサーがついてますよね。それも一風変わった企業が。

馬場 やっぱりプロとして生きていくからには、オンリーワンじゃないですけど、人と同じではおもしろくないじゃないですか。クラブ契約にしても、過去には日本選手ではだれも使っていないコブラのクラブを使わせてもらったり。

武井 コブラね。日本では渋いというかマイナーだと思われがちですが、リッキー・ファウラーも契約してますからね。

馬場 スポンサーはご縁があってのことですが、いま契約させてもらっている帽子のニューエラさんだったり、ファイブスター東都さんっていうクルマ会社の関係でつけているクライスラーやマセラッティのワッペンもそうですね。そういうのをつけさせていただいているものを試合の放映だけでなく、レッスン番組やゴルフ雑誌などでもできるだけ露出する機会を増やすのが、わたしにできることのひとつだと思っています。

武井 まったくその通りですよね。そこがスポーツ界のスポンサー契約のねじれだと思っていて、スポンサーって選手活動のサポート的な部分もたしかにあります。でも、スポンサーはお小遣いをくれるところじゃないんですよ。企業がお金を支払うってことには、何かの対価や効果を期待している部分が絶対にあるじゃないですか。だから競技での成績以上に露出が増えれば、スポンサーはつきやすいし、それがなければスポンサーは離れていってしまうんです。

馬場 人気や知名度って、ただ待っていれば、自然に上がるものじゃないですよね。

武井 馬場プロは、本当にボクと考え方が似てますよねー。このコーナーは毎回素敵な女子プロに来ていただいていますが、その子たちには「成績以上に輝く選手になってください」とリクエストし続けてきました。今回お話してわかったんですが、馬場プロはすでにそれを現実にしている貴重な選手ですね。

馬場 いえいえ。まだ全然です。

武井 いずれアスリートを育てるための場ができたら、そのときには、なぜ有名になって、スポンサーがたくさんついて、豊かな生活ができているのか。その秘訣をみんなの前で話してほしいですね。そのときは協力してください。



馬場 楽しそうですね!ぜひお手伝いさせてください。

武井 その前に、今回の対決は必ず勝たせてもらいます!そこに集まったアスリートたちの前で「まあ、ボクは馬場ゆかりプロに勝ったことがありますけどね」といえるようにね(笑)



馬場ゆかり ばば・ゆかり
1982年12月30日生まれ。149cm。プロ入り13年目のベテラン選手。15年のシード選手最小の身長だが、11年日本女子オープン優勝。メジャータイトルをもつ小さな巨人。福岡県出身。ミュゼプラチナム所属。

武井壮 たけい・そう
1973年生まれ。百獣の王として、メディアにひっぱりダコの超人気タレント。8月にフランス・リヨンで行われた世界マスターズ陸上の4×100メートルリレーのM40クラス(40~44歳クラス)で悲願の金メダルを獲得。ゴルフ熱もヒートアップ中!

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