太宰治
晴耕雨読。そう決めて、近ごろは新聞や雑誌も読まない。
雨読とは本を読むことで、新聞やゴルフ雑誌は見ない。太宰治を何作か読んだが、年甲斐もなく『走れメロス』もまた読んだ。作り話、出来レース、ハッピーエンドと、いまでは斜に構えてしまうが、太宰が読者として意識したのは10代の若者であって、還暦近い"オヤジ"ではない。
そう考えてしまうところが悲しいではないか。ドライバーで200ヤード打てなくなっても、心だけは若者でいることは可能。いや、一念発起して240ヤードを目指してみたい。
今月も言い訳じみた書き出しとなったが、世の中の動き(ゴルフ界の動きも含めて)に興味が薄くなってきたからだろう(といって、自分のゴルフには少しばかりの情熱はある)。
新しい予選
そんなわたしの目を惹くニュースがあった。
JGA(日本ゴルフ協会)が主催する日本オープンについての改革案の記事がメディアに載っていた。
日本オープンの出場資格を得るべく、これまでは一次、二次の予選が行われていたものについて、一次予選に出場するための予選会を将来的には全国的に展開する、と書いてあった。総参加者が1万人を超える見通しとなっているという。
まずもって、大賛成である。どうせなら、日本全国とケチなことをいわず、海外でも予選会をやったらいい。この案については、わたしは3年以上前に何度か勝手に書いたことがあり、新聞、雑誌に話したこともあった。
わたしの案は、各都道府県で必ず1カ所予選会をやるというもの。成績上位者が、一次予選の出場権をかけて決定戦を行うプランだった。参加費はJGAの場合2万円となっているが、わたしは1万円としてより多くの参加者を募りたい。また、JGAは参加資格をハンディキャップ取得者としているが、わたしはそういうものは不要だといいたい(なぜなら、日本のゴルフ場のハンデはいい加減である)。
ひとり1万円でも、参加費だけで2億円程度集まるはずだ。それを全額、本大会の賞金に組み入れ、賞金総額4億円の大会としたい。これなら世界ランカーの参加も見込める。
あっぱれJGA
日本オープンの予選会は初めての試みで、今年から即、うまく運ぶかどうかはわからない。しかし、世界で通用するゴルファーを育てるとは、こういうことをいうのだと思う。
2020年の東京オリンピックに向けて、とJGAはいうが、JGTO(日本ゴルフツアー機構)はなにをやっているのだろう。選手のマナーがどうだとか、まるで技術とかけ離れたところの議論が目立つ。強い選手の育成につながることは、なにひとつないように思う。
JGAに敬意を表したのでひと言。
日本オープンの開催コースを、道州でまわってほしい。現状では関東・関西が多すぎる。全英オープンは5年に一度セントアンドリュースで行うが、ほかのコースは何十年に一度である。
石川勝美 いしかわ・かつみ
プロゴルファー石川遼の父。ゴルフ界発展のためのさまざまな提言を発信する。ゴルフをはじめ読書、写真、釣り、旅、競馬、家庭菜園など趣味は多彩。著書に『石川家の子育て』など。1956年生まれ。
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