連載コラム

タケ小山のオレにいわせろ!

目標通り過去最高の入場者数を記録した日本シニアオープン。でもその内情は…

2015/11/22 21:00

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イラスト=マスリラ

 ハローエブリバディ!出場してきました「日本シニアオープン」。でも残念ながら1打足りずの予選落ち。応援してくれた人はごめんなさい。来年必ずリベンジします!

 なんと、今回の「日本シニアオープン」は過去最高の入場者数、4日間で1万3849人を記録した(ちなみに11年は4813人@広島CC、12年5297人@東名古屋CC、13年4189人@麻生飯塚GC、14年7152人@小野グランドCC。く〜っサビシー!)。このことは100点満点の評価に値すると思います。

 メジャー初のリゾートコースでの開催。見やすいようにと、スタジアム型にコースを改造。ホテル越え18番など見どころもあった。ギャラリー数を増やそうという、さまざまな試みは評価するべきだ。

 しかし!1万3000人超のギャラリーのうち、いったい何人がお金を払ってチケットを買ったかは疑問なのである。

 わたしは今年、日本オープンと日本シニアオープンの両方の予選にエントリーしたが、それぞれ4枚ずつ、いつでもだれでも使える日本オープン、日本女子オープン、日本シニアオープンの共通チケットがもらえた(去年はなかったから今年からだろう)。さらに、スポンサーがらみでかなりのチケットがバラまかれたとも聞く。まさに本末転倒!JGAがチケット収入などハナからあてにしていないという証拠である。そもそもJGAは、ゴルフを普及するためにある公益財団法人。純粋にチケット収入で収益を増やし、それをファースト・ティやジュニア育成に費やすなど普及活動に充てるのが筋。資金がなくて普及活動などできるはずもなく、収入をあてにしてない=ゴルファーを増やそうという気がないと受け取れる。

 野球のパ・リーグは、見やすい球場をつくるなどして人気を回復した。元祖スタジアムコースの「フェニックスオープン」は58万人のチケットが売り切れる。いずれも、“どうすれば見に来てくれるか"という試合づくりに投資した結果であり、それが収入となり興行が成り立つのだ。

 日本のメジャーはコースの難しさばかりにこだわり、アクセスを無視していることもギャラリー不在の発想。日本ツアーの衰退が叫ばれているいま、ゴルファーがお金を払って行きたいと思うような試合をつくっていかないと、本当に消滅してしまいますよ。

入場者数は100点。でも、実際にチケットを買った人は何人いたのか…観客目線でトーナメントをつくりチケット収入を増やさないと本当に滅びてしまうぞ!




エントリーするともらえる大会チケット




日本オープン、日本女子オープン、日本シニアオープン予選にエントリーすると、すべての大会で使える観戦チケットが4枚ついてくる。「見に来てくれるという友人にあげました」(タケ小山)


タケ小山
本名=小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)ほかラジオやコラムニストとしても活躍。東京都出身。

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