ニュースだけじゃ伝わらない米女子ツアー選手たちの魅力を毎月、現地からレポートします!
文・写真=南しずか/TEXT&PHOT Shizuka MINAMI
アリソン・リー Alison Lee
1995年2月26日生まれ。175cm。父の影響で6歳からゴルフをはじめる。09年、全米女子オープンで26位タイに。14年度のQスクールで資格を得て、15年からレギュラーツアーに参戦。賞金ランク23位と好成績を残す。今シーズンの賞金ランクは58位(4月11日現在)。アメリカ出身。
Qスクールトップ通過に心を揺らす、美人女子大生プロ
「Qスクール」とは、米女子ゴルフツアーのプロテスト。5日間のトーナメント形式で開催され、20位以内が来季のシード権を獲得できる。プロゴルファーとして生活できるか否かという、人生を左右する大会だ。
2014年度のQスクールでは、横峯さくらが11位タイでシード権を獲得し、夫でトレーナーの森川氏とともに喜びを分かち合った。なのに、同大会でトップタイフィニッシュしたアリソン・リーの心境は複雑だった。
「もちろんうれしかったですが、これで生活が変わっちゃうなぁ、と思うと悲しくて」
高校を卒業したらすぐにプロになろう。そうアリソンは考えていたが、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)へ見学に行き、キャンパスにひと目惚れ。「カリフォルニア育ちの自分にぴったりの場所」と、ほかの大学には目もくれず受験し、見事に合格した。
充実した大学生活を過ごすかたわら、1年生ながら大学のゴルフ大会で結果を出す。「プロ転向するんでしょ?」と周りからいわれることで、再びプロを意識。"落ちても失うものはない"とQスクールを受けた結果、トップ通過してしまったというわけ。アリソンは迷った挙句、大学生とプロゴルファーの両立を決意した。
「私がプロゴルファーだってことを大学教授に説明するんですが、全く考慮してくれなくて。授業が大変です」と苦笑い。昨年の全米女子オープンと全英女子オープンは中間試験や期末試験と重なったため、試合を終えるとインターネットを通して試験を受けたという。
昨シーズンは学校生活を考慮して、少なめの23試合に出場。トップ10入りが6回と、まぐれでプロになったわけじゃないことを証明した。米メディアの「Golf.com」は、175センチのスラっとした実力派ルーキーを『2016年度の最も美しい女子ゴルファー特集』で取り上げている。
次世代のアメリカ選手として期待されているアリソン。同世代プロがひしめく中、女子大生ゴルファーが優勝できるか注目したい。

▲最終戦の合間に開催されるロレックス・パーティのレッドカーペットで。175cmというモデル並みのスタイルも彼女の魅力
南しずか みなみ・しずか
1979年生まれ、東京都出身。ニューヨーク在住。2009年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や「ナンバー」「Sports Illustrated」など、スポーツ誌に写真を提供。
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