連載コラム

タケ小山のオレにいわせろ!

ナショナルオープン競技予選の話
ドリームステージの開設で門戸が開いたナショナルオープン。さらなるレベルアップを考えるなら地域格差を鑑みるべき

2016/8/24 22:00

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イラスト=北沢夕芸

 ハローエブリバディ!いよいよ、除夜の鐘シリーズが始まります。それはなにかって?説明しましょう。日本の最高峰を決める試合、ナショナルオープンのことで、いままでは男子も女子もシニアも、108人という煩悩の数しか出られないからこう呼んでいるんです。そしてわたしは、このコラムでもずっと、ナショナルオープンはもっと門戸を広げるべきと訴え続けてきました。

 そうしたらなんと、男子は昨年から、今年は女子もシニアも出場選手枠が120人に拡大。うーん非常にめでたい。JGAさん久々のヒット。もう“除夜の鐘”なんていいません。

 こうなった背景には、今年から開設されたナショナルオープンへの道と題した「ドリームステージ」の成功が挙げられます。ふたを開けてみれば、かなりのアマチュアが出場。プロだけでなくアマチュアにとってもゴルファー最高の晴れ舞台という想いがあるのでしょう。まだまだ日本のゴルファーの志も、捨てたもんじゃない。そしてわたしがいい続けてきたことを実行してくれたJGAさんに拍手を送りたい…といいたいところですが、これを読んでくれている前提でいわせていただきます。

 今年もシニアオープンの予選から挑戦しているのですが、ドリームステージができたことで、予選日に月曜日が多く、メンバーの手前、前日の日曜に練習ラウンドができない規則になっている。そうすると、たとえば北海道で予選を通った友人は、最終予選に出るために前週からこっち(最終予選は茨城の大利根CC)に出てこられないから練習ラウンドはしないでいきなり本番に挑むという。地方予選を通った人で、彼のような人は少なくないはず。こうなると、首都圏在住の人が有利になるが、はたしてそれで最高峰を決める試合と謳っていいのだろうか?なるべく負担をかけず、全員に同じだけの練習時間とチャンスを与えて初めて、公平な条件でいい戦いになるのではないか?ちなみに、アメリカのシニアオープンは全部で34カ所で行われ、地区予選=最終予選。一度の予選を通ればファイナルに行けるしくみになっている。

 何度もふるいにかけることで、よりよいプレーヤーを選出できるかもしれないけれど、コストをかけないのもひとつの方法。お金がある人もない人もゴルフができることが、一番いいことだと思うんです。

 ということで、協会はまだまだわたしのいいたいことの本質を見抜く読解力がないようですな。

出場選手を108人から120人へ増員。さらにはドリームステージの開設と進化したのは認めるが、首都圏有利の構造ではまだまだつめが甘いのでは




ドリームステージとは




「真のナショナルオープン」を実現するべく、アマチュアを対象に今年から開催された予選会。JGA/USGAハンディキャップインデックスをもつアマチュアゴルファーならだれでも参加でき、通過者はそれぞれの地区予選に出場できる。


タケ小山
本名=小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)ほかラジオやコラムニストとしても活躍。東京都出身。

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