イラスト=北沢夕芸
ハローエブリバディ!秋のシーズン到来。ゴルフ、楽しんでますか?私は今年も「日本シニアオープン」の予選を通過し、本選に出場したり、「北海道オープン」にも参戦しました。
オープン競技といえば、日本のナショナルオープンに対して私が以前から言い続けてきた「出場枠を増やすべき」が現実になり、だいぶ充実してきました。今後は全英、全米並み156人というフルフィールドに近づけるよう、日々努力してほしいところ。ナショナルオープンというのは、国のゴルフ力が示される試合ですからね。
いまの日本ツアーで最も解決すべき問題は、男子ツアーの試合数。青木会長ががんばっているけれど、一向に増える気配がない。
でもね、北海道から九州まで、各地区で開催されている地区オープンの中には、スポンサーに頭を下げなくても着実に年数を重ねている大会が数多くある。なぜ継続できているかというと、賞金額にとらわれていないから。プロの参加費が2万円とか3万円だとして、100人出場したら200万円、300万円と集まって、それが賞金のベースになるのが本来のトーナメントイベント。ところが一社のスポンサーに1千万円、5千万円、1億円を出してもらえるようになってしまい、本来のスポーツの形態を忘れかけてはいないだろうか。長続きしている地区オープンは、金額にかかわらず、大小のスポンサー企業が数多くかかわっている。そこが大事なところ。そこを理解すれば男子ツアーがやるべきことがおのずと見えてくるはず。
いま現存する地域・地区オープンを探せば30以上はあるだろう。JGTOの執行部は、「いま旬の若手選手を貸し出しますよ」と、ツアーに組み込む共同開催という形で選手を派遣し、お互いフィールドを生かしあうという営業をするべき。そうすれば、年25試合が一気に30、40と膨れ上がってくる。試合さえあれば、あとは自分たちの営業努力とファンサービスを含めたプロのパフォーマンス努力で、賞金額はいくらでも上げていくことはできるはず。
早急にやるべきことは、ゴルフを見たいというファンの前でプレーをするという原点に立ち、試合数を増やすということ。それを忘れて、スポンサーに頭を下げている時代ではもうないのですから。
大小さまざまな協賛企業がつく地区オープン。賞金総額は少ないけれど数十年続いている大会も多い。地区オープンとタッグを組めば試合数増はカンタンだと思うのだが…
着実に開催年数を重ねる地区オープン
各地域にゴルフが根づき、北海道から九州まで全国にゴルフ連盟ができて半世紀以上。タケ小山も出場し、今年で50回を迎えた「北海道オープン」、古くは86回を迎えた「関西オープン」など、賞金額は少なくても続いているオープン競技が全国で開催されている。
タケ小山
本名=小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)ほかラジオやコラムニストとしても活躍。東京都出身。
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