連載コラム

タケ小山のオレにいわせろ!

スポンサーの話
スポンサーにとって魅力的に映るトーナメントに生まれ変わるには、今までのスタイルを捨てて大胆な改革を行うべき

2016/11/28 21:01

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イラスト=北沢夕芸

 ハローエブリバディ!先週末は松山英樹と石川遼が出場した「ワールドカップ」が注目を集めましたね。そんななか、米シニアツアー「ジャパン エアラインズ チャンピオンシップ」が、日本で開催されるというニュースはご存知ですか?

 PGAの世界殿堂入り選手などが参加し、ゴルフファンにとったら世界最高峰のプレーが見られるので、とってもいいニュース!かと思いきや、ゴルフ業界に身を置いているわたしからすれば、素直に喜べる話ではないのです。これはいわば、米ツアーが日本に殴り込みをかけにきているわけ。まさに黒船来襲!今、行動を起こさないと日本ツアーは大変なことになるぞ!

 そもそも、JAL(ジャパン エアラインズ)がスポンサーをしていた日本の試合は過去にいくつかありました。それが今回、日本国内でJALがサポートする米ツアーをやる。日本有数の一流企業が、海外のツアーにお金を出している。ではなぜ、日本の試合ではなく海外の試合をサポートするのでしょう?その理由は簡単!海外に比べ、日本の試合は費用対効果が圧倒的に悪いから。

 日本は、地上波では放送するけどライブじゃない。しかも世界発信もできずに国内だけの土日の放送だけというありさま。一方、海外は試合初日から全世界にライブ配信。かかる費用は海外ツアーが高くても、企業名の露出量がケタ違いに多く、スポンサーにとっては魅力的に映るわけ。これから先、こういった企業は確実に増えていくはず。そのたびに海外ツアーにスポンサーを取られていては、少ない試合数はさらに減っていくだろう。なのに、この状況を指をくわえて傍観し、いままでのスタイルを崩さずに試合数を増やそうという考え方が甘すぎる!

 まず根本的に、試合を作る仕組みを変えなきゃだめ。テレビ局や代理店が「お金さえ出してくれれば、運営、テレビ中継すべてこちらでやりますよ、各協会はプロの管理だけお願いします」という状況を変えなきゃいけない。各協会が、スポンサーと直接交渉できる窓口を作るべき。そして、選手がプレーする姿を素材として売る。テレビ局と代理店がその素材を買って、スポンサーがそのフィを払う。スポンサーと直でやり取りして、積極的に試合を取りに行く姿勢が必要になってくる“協会が試合を作る"時代に来ているわけだ。そうすれば、協会が試合の情報発信に対して強い権利を持てる。スポンサーに対して、「ウチは、これだけいい選手がいて発信力もありますよ」とアピールも可能。日本のツアーが発展していくためには、こういった改革が必要だと強く思うのですが…。各協会の皆さん、どう思いますか?

米ツアーを日本国内で開催し、スポンサーは日本有数の一流企業。この状況を指をくわえて見ているだけでは試合数は減る一方。日本ツアーの行く末が危ぶまれるぞ…




世界最高峰のプレーヤーが成田ゴルフクラブに集う




米シニアツアーは、2017年9月7~10日に「JAPAN AIRLINES選手権」を千葉県・成田ゴルフクラブで開催することを発表。賞金総額は2.5億円にものぼり、出場選手は68人。日本からは8選手が出場できる。会見に出席する(左から)トム・ワトソン、PGAツアーチャンピオンズプレジデントのグレゴリー・マクローリン氏、日航の植木社長、倉本PGA会長


タケ小山
本名=小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)ほかラジオやコラムニストとしても活躍。東京都出身。

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