ニュースだけじゃ伝わらない米女子ツアー選手たちの魅力を毎月、現地からレポートします!
文・写真=南しずか
カルロタ・シガンダ Carlota Ciganda
1990年生まれ。173cm。16年はKEB・ハナバンク選手権で米ツアー初優勝を果たしたあと、ロレーナ・オチョア招待で2勝目を挙げた。ドライバー平均飛距離269ヤードという飛ばし屋。16年リオ五輪女子ゴルフのスペイン代表。
情熱の国・スペインが生んだ、天性の負けず嫌い
リディア・コ世代が大活躍した昨季。25歳以上で複数回優勝したのは、フォン・シャンシャン(27歳/中国出身)とカルロタ・シガンダ(26歳/スペイン出身)という2選手だけだった。
「3勝、4勝と続けて勝ちたい。私は負けず嫌いなので」
11月のメキシコ戦で通算2勝目を挙げた翌々日、シガンダは勝利の余韻に浸り続けることなく、次の勝利を欲し始めた。
“負けず嫌い”は、叔父から引き継いだのだろうか。シガンダの叔父は、スペインのプロサッカーリーグ・リーガ・エスパニョーラでプレーした、元サッカー選手である。今でもタイミングが合えば、叔父が所属していたチームのアスレティック・ビルバオの試合を見に行くという。「スポーツを見るのもプレーするのも好き」というシガンダはプロゴルファーになる前に水泳、サッカー、テニス、ハイキングなど、いろいろなスポーツに慣れ親しんだ。
シガンダが「昔から憧れていた」という同郷のテニス界のスーパースター、ラファエル・ナダルに初めて会ったのは約2年前。プロゴルファーのホセ・マリア・オラザバルとナダルが主催するチャリティゴルフ大会に招待されて、一緒にプレーした。「すごくいい人で、ゴルフもうまいですよ」そういわれるとナダルのゴルフが気になる。「ちょっとテニスっぽい打ち方で、ハンディ3か4ぐらい」という。さすが世界のトップアスリートである。
「情熱の国スペイン」というと非常にアツい感じがするとおり、シガンダは大事な場面でバーディを決めようものなら、拳を握りしめてガッツポーズを何度も繰り出す。「(12年に)欧州ツアーに参戦し、その年に優勝できたので、米ツアーでもすぐに優勝!と思っていたが(初優勝まで)かなり時間がかかってしまった」
次の目標はメジャー制覇。平均飛距離約269ヤードというドライバーを武器に、根っからのスポーツ女子は虎視眈眈と勝利を狙う。

▲プロゴルファーのオラザバルと、プロテニス選手のナダルが主宰するチャリティ試合で。左からオラザバル、ナダル、シガンダ、ペターセン。写真は本人提供
南しずか みなみ・しずか
1979年生まれ。2009年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や『Number』『Sports Illustrated』など、スポーツ誌に写真を提供。ニューヨーク在住。東京都出身。
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