連載コラム

タケ小山のオレにいわせろ!

海外メジャーへの出場枠、出る出ないは自由だが

2015/7/19 22:00

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写真=前田俊二/イラスト=マスリラ

 ハローエブリバディ!元気に夏ゴルフを楽しんでますか?

 さて、前号で海外メジャーにおける日本男子ツアーの出場選手枠の話をしましたが、今月は女子。7月30日から始まる「全英リコー女子オープン」の日本ツアー出場枠は、6月の「サントリーレディス」終了時の賞金ランク上位5名(有資格者・テレサ・ルーを除く)まで。ところが、1位のイ・ボミ、3位の菊地絵理香、4位の上田桃子が出場を辞退。結局、5位の成田美寿々と7位の笠りつ子、10位の渡邉彩香、11位の吉田弓美子、12位の大山志保の5人が渡英することとなった。

 なぜ、多くの選手がメジャー出場を辞退しているのか?大きな理由のひとつは海外メジャーでの賞金が国内賞金ランクに加算されないことだろう。

 現在、海外の女子メジャーは「ANAインスピレーション」「全米女子プロ」「全米女子オープン」「全英リコー女子オープン」「エビアン選手権」の5つだが、過去にはクラフトナビスコ、マクドナルド、ウェグマンズなど、昔から女子のメジャーはスポンサーありきだった。

 しかもANAもリコーも日本の企業。ANAはエアキャリアとして、リコーはヨーロッパと日本の企業をつなぐことなど、スポンサードすることで大きなメリットがある。そのスポンサーが日本ツアーに対して5人の出場枠を与えた。

 しかし、今後もこのように上位選手が出場を辞退するとなると、出場枠が減るだけならまだしも、スポンサード撤退なんてことになりかねない。そうなれば日本女子ツアー自体の衰退につながることは目に見えている。

 はたして、女子ツアーはそれでいいのだろうか。毎週試合のあるいまはいいかもしれない。が、こういうことを続けていれば、どうなるか…。日本の男子ツアーが衰退したのは、費用対効果がないとスポンサーが考えたから。同様に、日本人選手枠どころか世界のメジャーから日系企業のスポンサードも消えたならと考えるとゾッとするのです。女子ツアーは、賞金に加算する、スケジュールを工夫するなどして世界のツアーと共存していく企業努力も必要。そういう時代に突入したことを忘れないでほしい。このままだと、男子ツアーの二の舞になることはあきらかだと思うんですけどね。

全英女子オープン出場を見合わせるプロ。スポンサードの真の意味をツアー側がわかってないのでは?


全英行きを英断した渡邉彩香


渡邉をスポンサードしている大東建託が冠の「大東建託・いい部屋ネットレディス」と全英が重なったが、悩んだ末に渡英を決意。スポンサーも「活躍して日本も盛り上げて」と快諾した。


タケ小山
本名=小山武明(こやま・たけあき)――1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)ほかラジオやコラムニストとしても活躍。東京都出身。

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