連載コラム

タケ小山のオレにいわせろ!

ステップアップツアーの話
3試合増で21試合の ステップアップツアー。 抜本的な改革を進めないと 女子ツアー全体の 活性化にはつながらない

2017/1/25 21:00

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イラスト=北沢夕芸

 ハローエブリバディ!みなさん、もう初打ちは行きましたか?2017年もゴルフな1年をエンジョイできるよう祈っております。

 さて、シーズン開幕が近づいてきた!17年は、男子は26試合が開催され、女子は38試合で賞金総額が37億1500万円と5年連続で史上最高額を更新。また、女子レギュラーツアーの下部組織・ステップアップツアーが3試合増えて21試合となった。

 女子ツアーは絶好調のバブル景気といえる!これだけ試合数があって、賞金も充実している女子のプロスポーツ団体は世界でも珍しい。非常に評価できるし、アッパレといいたいところだが…。あえて苦言を呈す。スポーツビジネスに関わるライツの管理、放送権などの問題は、まだまだ棚上げされているし、選手の福利厚生も不十分。一番ダメなのは、ステップアップツアーの規定変更。

 16年まであった優勝者へのレギュラーツアー4試合の出場権を廃止。賞金ランキング1位に18年度に導入予定のリランキング(実施時期は未定)までの出場資格を付与し、賞金ランク2~5位までの選手はサードQTを免除、6~10位までの選手はセカンドQTを免除されるという。本格的なツアー化を目指すための変更だというが、これでは全然足りない。改革というにはほど遠いだろう。

 なぜなら、レギュラーツアーに出場できる権利を持つのはたったひとりだけ。2位以下の選手はQTを受験する必要があるのだ。ステップツアーの上位者は、1年をとおしてコンスタントにスコアを出せる力のある選手なのに、なぜQTを受ける必要があるのか…。

 米男子ツアーでは、最近では下部ツアーの上位25位までが翌年ツアーメンバーに昇格する。そして、下部ツアーから上がってきた選手が賞金王やトップ選手になっている。これくらいまで入れ替えろとはいわないが、せめて上位5人はしっかりとレギュラーツアーに上げる必要があるだろう。そこに重きを置けないのだったら、「下部ツアーの充実」っていうのは絵に描いた餅。

 選手の入れ替えが盛んになれば、レギュラーツアーの活性化につながるし、新しいヒロインが出てくる可能性があるのだ。今の景気のいい状態を諸手を上げて喜んでいるだけでは、5年後10年後の女子ツアーの将来が心配だ。

5年連続賞金総額がアップし世界でもまれにみる女子ツアーの好景気。今に満足せず、5年後10年後の将来を見据えてステップアップツアーの本来あるべき姿を探るべきでは!?




▲16年度ステップアップツアーの賞金女王の山城奈々。17年からは、年間の賞金ランクでレギュラーツアー出場権が与えられ、試合数が3試合増えて計21試合になる。本格的なツアー化に向けてさらなるツアー規定の変更が必要だ




タケ小山
本名=小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)ほかラジオやコラムニストとしても活躍。東京都出身。

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